【特集】病院で働く“救急救命士”に密着 命を救う最前線も人手不足…救命士の活躍に期待《新潟》
■院内ならでは……手術に立ち会うことも
この日、運ばれてきたのは80代の女性です。 救急外来を抜けすぐにCT検査にまわります。 女性は脳の血管に血のかたまり・血栓が詰まった脳梗塞でした。 そのころ、救命士の相馬さんは何やら資機材をそろえていました。 運んだ先は、CT検査を終えた女性の元。すぐに手術が行われることになりました。 脳外科や神経内科の医師や看護師たちが続々と集まりました。 その中に松澤さんの姿も……医師から指示が飛びます。 〈医師〉 「プリンペランを2筒打つのと、あとソセゴンとセルシン準備しよっか」 〈救急救命士 松澤威琉さん〉 「患者さんに心電図つけるとか、 治療中動かないように固定するのを積極的にやったり、 先生たちが滅菌ガウンという手術で必要なガウンを着るが、 そういう(着せる)のを僕たちが やることによって看護師がより治療に専念して記録とか書けるように」 救命士や看護師、医師などの連携でスムーズに準備が整い治療が始まりました。 救命士が手術に立ち会うこともあるといいます。 手術の結果、女性の脳につまっていた血栓は無事、取り除かれました。
■求められるチームワーク「頼られる救命士に」
命を救う最前線で働く彼らが一息つけるのがお昼休みです。 とはいえ、救急搬送は予測不可能。この日は午後2時を回っていました。 ようやくありつけたきょうのメニューは? 〈救急救命士 松澤威琉さん〉 「麻婆豆腐でございます」 〈救急救命士 相馬夕樹さん〉 「きのうの残り、冷凍食品、あといつものメンツ。簡単にしちゃいました」 松澤さんはお弁当をものすごい勢いでかき込んでいきます。 お昼も時間との戦いなのでしょうか? 〈救急救命士 相馬夕樹さん〉 「休憩はしっかりもらえるんで。そこは関係ないかな」 〈救急救命士 松澤威琉さん〉 「体力はかなり消費しますね。売店に行って買い足してきます」 「ちょっと足りませんでした」 いまではすっかり病院にもなじみ、やりがいも感じています。 〈救急救命士 相馬夕樹さん〉 「体力的にも頭脳的にも使いますけど、救命士だけじゃなくて、看護師と医師とも一緒に働いて、 他の職種の方々と一緒に働いているので、チームワークと言うか、そこが強いかなと思います」 〈救急救命士 松澤威琉さん〉 「看護師とは資格的な問題でできないことがある分も知識や技術で埋められるぐらい努力して、みんなから頼られる救命士になっていけたらいいなと思っています」 救える命がある限り歩みは止めません……。 高齢化が進み、救急医療の在り方が問われる今、救急救命士の新たな働き方に期待がかかっています。