真夏日の夕暮れを大山詣りで涼む! 登山と絵とうろう祭りの光の競演で暑さ忘れる
2024年8月10日から14日まで神奈川県伊勢原市の名峰・大山で「大山 絵とうろう祭り」が開催されました。コマの絵で知られるこま参道沿いに建ち並ぶ茶屋、御坊などの軒先や門前に並び、大山名物のケーブル駅改札前広場や、阿夫利神社下社境内をさまざまな灯篭が飾られ、艶やかな光の共演で和ませてくれました。 【写真】大山の夏の風物詩「大山 絵とうろう祭り」の模様を見る(全13枚)
江戸時代の大山詣りのための常夜灯が祭りの始まり
8月10日~12日の3連休は山の日の祝日がらみもあって、全国各地で山の催しがあったようです。ソトラバスタッフは首都圏で人気の神奈川県は東丹沢の名峰・大山で開催中だった「大山 絵とうろう祭り」に駆けつけました。 同イベントは大山信仰の風習のひとつで、夏山の時期に講元宅前に立てて火を灯す「大山灯篭」や子供たちがつくった行燈に想いを馳せる伝統行事です。そして人気の大山登山は江戸時代、夏山開きの22日間(7月27日~8月17日)のみ許されていたそうで、夜の街道では常夜灯が大山詣りを行う道しるべともなっていたそうです。2006年に大山のある商店が店先で灯篭を飾ったことをきっかけに、大山観光振興会が復活させ、祭りとして開催するに至ったものです。 期間中は大山ケーブルも日没から20時30分までライトアップの夜間運行を行うということもあり、大山新道はすでに多くの観光客で賑わいを見せ、大山駅バス停手前に並ぶ駐車場の空き待ち渋滞を作っていました。こま参道は団扇を片手の観光客が闊歩し、名物の豆腐は早い時間から売り切れの様相でした。ケーブルカー利用で阿夫利神社駅に6分間の空遊。下社境内にはすでに多くの灯篭がスタンバイし、夕刻の火入れを待っています。
ミシュランが認めるプレミアムな夜景に涼を感じる
標高約700mの阿夫利神社下社は夕暮れ前から涼やかな風がそよぎ、灯りの入った絵とうろうはサイズもいろいろあり、また錦絵をモチーフにした絵柄や写真を使った印刷作品などバリエーションも多岐に渡っています。 下社の欄干を飾る伊勢原美術協会会員の迫力ある作品群と地元東海大学教養学部の学生たちが参加したという灯篭に加え、珍しい傘灯篭の展示もあり、境内はとても鮮やかなステージとなります。多くの観光者と登山者が砂利敷きのランウェイを埋め尽くします。 また大山ケーブルも期間中はライトアップされ、麓駅の大山ケーブル駅改札前広場には、地元の小・中学生の手作り牛乳パックの灯篭が並べられ、「大山」の文字アトラクションを作り上げていました。2015年にミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで2つ星を獲得したプレミアム夜景は、確かにうだるような暑さの夏の一服の涼として再訪を期するものでした。
ソトラバ編集部