徳島市の阿波踊りからくり時計、修復めどなく2年半止まったまま
徳島市の紺屋町バス停に設置されている阿波踊りのからくり時計が、相次ぐ故障で2年半以上、止まったままになっている。老朽化が進んで交換部品の入手も困難なため、修復のめどは立っていない。今夏の阿波踊りで5年ぶりに演舞場が再開する紺屋町の住民からは、復旧を望む声が上がっている。 【動画】閉校名建築で阿波踊り・キャンプ トナル瀬戸・島田グランドオープン からくり時計(幅、高さとも約9・2メートル、奥行き約2・7メートル)は1985年7月、紺屋町地下駐車場の開設に合わせ、新町地区商店街振興組合連合会が約1億円をかけて設置した。午前10時から午後8時まで2時間おきに男女の踊り手と鳴り物のロボット人形13体が現れて演舞し、見物客らを楽しませていた。 2001年からは寄贈を受けて市が管理している。内部の制御装置や人形の関節部などが故障したため、05年8月から2年間、からくりの稼働を止めて約3千万円をかけて修繕し、LEDを使った影絵の仕掛けを加えた。 ただその後も人形や人形の出入り口扉の誤作動、音響の不具合などが続出。修理が追いつかなくなり、21年10月に再び稼働を止めた。 市都市建設政策課によると、交換部品を調達できないため、再開の見通しは立っていない。特注すると高額になる恐れもある。担当者は「市民らに親しまれてきたので、何とかしたい気持ちは強い。いろいろな方法を検討しなければならない」とする。 紺屋町に住む男性によると、「故障中」との貼り紙を見て、がっかりする観光客もいるという。男性は「地域のシンボルが止まったままではさみしいので、直してほしい。正常に動く人形だけでもおはやしに合わせて踊れば、町に活気が出るはずだ」と話した。