「SM株価操作疑惑」のカカオ創業者を拘束…「証拠隠滅・逃走の恐れ」=韓国
大手芸能事務所「SMエンターテインメント」の株価操作疑惑の頂点とされていたIT大手「カカオ」のキム・ボムス経営刷新委員長が拘束された。捜査の着手から8カ月でグループの創業者でありオーナー格のキム委員長まで拘束され、カカオは創業以来最大の危機を迎えることになった。 ソウル南部地裁のハン・ジョンソク令状専担部長判事は23日、資本市場法違反の疑いが持たれているキム委員長の拘束令状を発行した。9日に検察の取り調べを受けてから13日後だ。ある判事は「証拠隠滅または逃亡の恐れがある」と拘束令状発行の理由を明かした。検察は今月17日、犯罪の重大性と証拠隠滅などを理由にキム委員長の拘束令状を請求していた。この日午後1時43分頃、検察の護送車から黒いスーツ姿で降りたキム委員長は、「株価操作疑惑を認めるか」という取材陣の質問には答えず、法廷に向かった。 キム委員長はカカオエンターテインメントによるSM買収の過程で、競合社である「HYBE(ハイブ)」の経営権買収を妨害するために、SMの株価をHYBEの公開買収価格である12万ウォンより高く設定・固定する目的で相場を操縦した疑いが持たれている。実際、カカオエンタの公開買収4日目からSMの株式相場は1株当り12万ウォンを超え、HYBEの公開買収は失敗に終わった。 検察は、カカオエンタが昨年2月16~17日と27~28日に2400億ウォンを使って計553回にわたりSM株を高価で買収する過程で、キム委員長の指示または承認があったとみている。ただし、キム委員長の拘束令状請求書には、昨年2月28日の一日の株価操作の疑いだけが適示されたという。 検察はキム委員長の疑惑を立証するのに十分な物的・人的証拠を確保したと明らかにしている。今月3日、SM株価操作の疑いで起訴されたペ・ジェヒョン元カカオ投資総括代表の公判に証人として立ったイ・ジュンホ・カカオエンタ投資戦略部門長は、「ペ・ジェヒョンがブライアン(キム委員長)のコンファーム(確認)を受けたと話した」と証言してもいる。キム委員長が最終的な意思決定者だという趣旨だ。 一方、キム委員長は容疑を全面的に否認している。SM株を市場で買収するという案件の報告を受けて承認しただけであり、具体的な方法については知らなかったということだ。キム委員長は検察の拘束令状請求翌日の18日、カカオの臨時グループ協議会に出席し、「いかなる不法行為も指示したり容認したりしたことはない」という立場を明らかにしている。キム委員長側の弁護団も文書で立場を表明し、「事業協力のための株式確保の目的で進められた正常な需要に基づく株式市場での買収だった」と反論した。 疑惑の頂点とされたキム委員長が拘束され、約8カ月続いてきた検察の捜査も最終段階に入るものとみられる。SM株価操作疑惑の捜査は、昨年11月、金融監督院の特別司法警察がキム委員長らカカオの経営陣を起訴意見で検察に送致したことで本格化した。検察は昨年11月、SM株価操作疑惑でペ・ジェヒョン元カカオ投資総括代表を、今年4月には私募ファンドの運用会社代表などを拘束起訴した。彼らは保釈され、裁判を受けている。 シム・ウサム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)