郷士から総理大臣へ…松方正義のゆかりの品々一堂に 没後100年展が開幕 鹿児島市・黎明館
黎明館企画特別展「没後100年 松方正義 郷士から総理大臣へ」(同館、南日本新聞社など主催)が26日、鹿児島市の同館で開幕した。大蔵卿や首相を務め、日本の近代化に貢献した松方ゆかりの品々約160点が並ぶ。11月4日まで。 【写真】〈関連〉松方正義ゆかりの品が並ぶ特別展=26日、鹿児島市の黎明館
展示では、武士の正装である家紋入りの裃(かみしも)、先輩から贈られた刀「波平(なみのひら)」などを通して、薩摩藩士として駆け抜けた幕末の動乱期を紹介する。また、明治政府で地租改正に取り組む中、家族に多忙さを愚痴ったり、大みそかに大久保利通へ、進ちょくを報告する手紙を送ったりと、熱心な仕事ぶりをうかがわせる資料もある。首相時の書簡や内大臣の大礼服、南日本新聞社の前身である鹿児島新聞の記事といった多彩な展示で、国政の中心人物としての活躍も伝える。 松方の孫にあたる松方峰雄さん(92)=神奈川県藤沢市=は「珍しい資料が多く、興味深く見学した。地元鹿児島で多くの人に知ってほしい」。黎明館の崎山健文主任学芸専門員は「大久保、西郷隆盛が亡くなった後の歴史を紹介する機会が少なかった。財政基盤を固め、日本全体を考えた政治家の姿を知ってほしい」と話した。 一般800円、大学生500円、高校生以下・障害者無料。黎明館=099(222)5100。
南日本新聞 | 鹿児島