貴重な「能登原木シイタケ」 被災下で収穫、2週間ぶり出荷
JAのと、内浦町の生産者
能登半島地震が発生した石川県奥能登地方を産地とする能登原木シイタケの出荷が再開し、11日、金沢市中央卸売市場に入荷した。出荷は昨年12月27日を最後に震災で中断し、約2週間ぶり。被災下の生産者が収穫した貴重な原木シイタケを地元JA職員も加わる中、穴水町のJA全農いしかわ穴水事務所で、職員がヘルメット着用の装備で選果した。 出荷されたのは、「のと115」26箱(211玉)と最上級ブランド「のとてまり」1箱(8玉)。のと、内浦町2JA管内の生産者6人から10日集荷され、全農いしかわの職員が金沢まで運んだ。 全農いしかわによると、出荷は年明けの4、5、8日に予定していたが、震災の影響で中断した。3月末までが出荷最盛期に当たり、収穫が遅れてかさが開き過ぎると、商品価値が落ちるため、今回可能な量を集荷した。 現地の農業ハウス内では、ほだ木が倒れる被害が相次いでいる。選果場を訪れた生産者からは「やっとハウスに入ることができた」「倒れたほだ木を必死に起こして収穫した」といった声が出たという。 能登原木シイタケは奥能登2市2町の104人が生産し、前年度の出荷実績は金沢や東京市場に約2万5000玉だった。
日本農業新聞