年金だけで生活できる高齢世帯は半数以下…70歳代夫婦世帯の「貯蓄額」はいくら?「厚生年金・国民年金」の平均月額もチェックする!
【厚生年金・国民年金】平均月額はいくら?
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、シニア世代の平均的な年金額を見ていきましょう。 ●厚生年金の平均年金月額 ・〈全体〉平均年金月額:14万3973円 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 ※国民年金部分を含む ●国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額 ・〈全体〉平均年金月額:5万6316円 ・〈男性〉平均年金月額:5万8798円 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円 国民年金で5万円台、厚生年金で14万円台でした。 上記はあくまでも平均です。年金額は個人差があるものですので、平均月額を上回る人、下回る人もいます。 特に厚生年金は個人差が大きいです。男性と女性では約6万円もの差が生じています。 男性と女性の働き方や賃金格差などが、厚生年金額の差として表れています。 自分が将来受け取る見込年金額は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」に記載されていますので、一度チェックしておきましょう。
年金だけで生活できる高齢者世帯は44%…
厚生労働省が公表した「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金収入だけで生活している人は、全体の44%と半数にも満たない結果となっています。 6割弱の高齢者が、年金収入だけでは毎月の生活費をカバーできていません。 不足分は私的年金や貯蓄の取り崩し、あるいは労働収入、お子様からの仕送り、などによって補填していると考えられます。
まとめにかえて
本記事では、70歳代の貯蓄事情とシニア世代の年金事情を確認しました。 個人差があるものとはいえ、全体的に公的年金の支給額は十分とはいえない水準です。 公的年金だけで老後生活をカバーできている高齢者世帯が半数に満たないのは当然といえるでしょう。 いまの日本は少子高齢化が加速しており、将来的にはさらに年金の給付水準が下がると考えられます。 現役世代の人たちは、老後は年金だけで生活できないことを前提に、いまから老後資金を確保していく必要があります。
参考資料
・明治安田生命「― 明治安田 「家計」に関するアンケート調査を実施 ―」 ・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・厚生労働省 2022(令和4)年「国民生活基礎調査の概況」
和田 直子