共産・田村智子委員長、党内問題に「コメントしません」連呼 政権批判は立て板に水
激しい政権批判を展開している共産党の田村智子委員長が、自身のパワハラ疑惑など党内問題には沈黙を貫いている。動揺の広がりや野党共闘への悪影響を回避したい思惑を指摘する声もあるが、党内外で〝ご都合主義〟との批判を招く可能性は否定できない。 【グラフでみる】共産党の党員数・「赤旗」部数 田村氏は9日、福岡市内の党会合で講演した。終了後は記者団を前に派閥パーティー収入不記載事件を巡る自民党の対応を糾弾。「党の中で犯罪が行われていたら徹底的に事実を明らかにして膿を出し切る(必要がある)」と強調し、「反省がなく、自己改革もできない、自浄能力もない。政権党としての資格を失っている」と断罪した。 ただ、立て板に水のような政権批判とは一転、党内の問題に関しては言葉数が激減した。 福岡県では、流行語大賞で入賞した「ご飯論法」の発案者の一人で、漫画評論家の神谷貴行氏が党員として活動している。その神谷氏は党首公選制を巡る党内議論をブログなどで公表したとして規約違反に問われている。「言論封殺」との指摘もある中、記者団から処分状況を尋ねられた田村氏は「私からコメントすることはありません」と突き放した。 また、共産の大山奈々子神奈川県議が田村氏から1月の党大会でパワーハラスメントを受けたとして、第三者委員会による検証を求める意見書を党中央委員会に送っていたことが判明。認定された場合、田村氏の謝罪と訂正を求めている。 田村氏は党大会で党員への除名処分を問題視した大山氏について「あまりにも党員としての主体性、誠実さを欠く発言だ」と断じた。しかし、この件についても記者団に「コメントしません」との見解を述べるにとどめ、徹底的に事実を明らかにする姿勢は示さなかった。(千田恒弥)