“ペット”から“伴侶動物”へ 一方で虐待数は過去最多 保護動物185匹と暮らすYouTuber「1匹だけでも大変な人はいる。自分のキャパと責任を負えない飼い方はしないほうがいい」 共生のあり方は
負担が大きいように感じるが、ユーキさん本人は「大変と思うことはほとんどない」といい、「動物ではなく、人間として見ている。自分は保護で迎え入れるが、多頭飼育崩壊の劣悪な現場も見てきた。同じ思いをさせたくないから、衛生面や体調にも気を使う。1匹を飼うだけでも大変な人はいる。自分のキャパシティや責任を負えない飼い方はしないほうがいい」と話す。
元子役タレントの細山貴嶺氏は、2022年からNPO法人あひるネットワーク理事として、保護あひるの適性飼育の啓蒙活動などに従事。2023年からは京都大学イノベーションキャピタル客員起業家(EIR)の立場で、動物を最終受益者とする事業内容で起業を準備する一方、2024年にVetsBrainを共同創業者として立ち上げ、動物業界特化型のエキスパートマッチングサービスなどを運営している。
細山氏は「ユーキさんのようにプライベートを削って、ほとんど睡眠できない中でも強い思いをやっている人はすごい」とした上で、「人の福祉と、動物の福祉は、つながっているケースが多い」と指摘。「精神的な病を抱えて、寂しさから動物を引き取ってしまい、飼育崩壊を起こす。動物と人の両方を社会システムとして見て、何が必要かを考えないといけない」と訴えた。
伴侶動物が人に与える影響として、医療・教育・福祉の3本柱がある。動物は人間の中にある優しさや思いやり、人間らしさを引き出す名手だ。例えば、見つめ合って触れあうことで、幸せホルモンが分泌される。また子ども達の感情を豊かにして、心身の形成にも役立つ。
柴内氏は「この3本柱を守りながら暮らせることが大切だ」と説く。「動物の福祉を守りながら、人間社会の中で、どれだけ良い犬市民・猫市民になれるかが大切。アニマルセラピーの活動で教育された動物とは、一緒に社会活動できる現場もある。動物と一緒に、お店に入って『いい子だな』と感じさせるモデルが増えれば、共生社会は実現できる。きちんと教育された伴侶動物と家族のペアには、行政が証明書を出すような連携が大事ではないか」との見方を示した。
動物との共生において、日本は遅れているのか。大王製紙の調査によると、6割以上の飼い主が「進んでいるとは言えない」と回答した。その理由としては、ペットに関する法律の整備・強化、ペットオーナー全体のマナー、ペットと一緒に暮らすことへの社会的な理解、ペットに対応した施設や交通インフラの整備などが挙げられている。 ユーキさんは、一番重要なことは「飼い主の責任とモラル」だといい、「海外ではペットショップがなかったり、犬の散歩を3回以上しないと罰せられたりする法律がある。日本の法律も、もう少し細かく決める必要があるのではないか」と提案した。 (『ABEMA Prime』より)