室蘭で新たに不正車両 「ジャガイモ列車」運行も…漫画の入荷に遅れ JR貨物不正の影響続く
STVニュース北海道
十勝特産のジャガイモを本州まで運ぶ、通称「ジャガイモ列車」。 12日午前、予定通り帯広貨物駅を出発しましたが、物流への影響が出始めています。 JA士幌町によりますと、生食用のジャガイモの出荷について、今週の出荷分は全てトラックとフェリー輸送に切り替えたということです。 JR貨物が列車の組み立て作業で、検査データの改ざんなど不正行為を行っていた問題。 11日に新たに検査が必要な車両が見つかったため、全国のコンテナ車両の運行を一時停止しました。 JR貨物によりますと、検査をした結果、全国で新たに67両の不正が見つかり、このうち10両が室蘭の輪西車両所にあったものだということです。 これで不正が確認された車両は全国で631両、輪西車両所では半数以上の319両にのぼることになります。 札幌市内の書店でも影響が出ていました。 (山﨑記者)「子どもたちに人気の漫画雑誌。あす発売の10月号の入荷が延期になったということです」 13日以降の一部雑誌や漫画の入荷分について、すでに遅れが出ているということです。 (コーチャンフォー ミュンヘン大橋店 坂本祐治さん)「現状はどれぐらい遅れるのかが分からない状況なので、連絡待ちの状況。お客さまにはご迷惑をおかけしてしまうところが大変心苦しいです」 また、ヤマト運輸では10日と11日に発送された荷物が1日以上遅れる見込みです。 佐川急便でも、9日以降に発送された全国から北海道宛ての荷物に遅れが生じているということです。 先ほど、道の対策会議に参加したJR貨物の北海道支社長はー (JR貨物北海道支社 志水仁支社長)「あす以降の道内発の本州向けの列車は、すべて運転をします。1割程度の貨車が使用できなくなっているが、貨車は全国運用をしているので、極力道内各地の需要に応じた設定となるように策定中」 JR北海道でも列車の組み立て作業に関する調査を自主的に実施。 車輪の圧力が基準を超えている車両がおよそ180両見つかったということです。 点検の結果、安全上の問題はなかったものの、この影響で根室線と宗谷線の普通列車4本が運休となりました。 今後の影響について専門家はー (北海商科大学 相浦宣徳教授)「輸送力の低下が長期化した場合、大きな影響が見込まれます。宅配便や雑誌、食料品、日用雑貨など道民の皆さんの生活に必要なものも輸送日数が伸びるなど、届きづらくなる」 国土交通省の特別保安監査は今後も続く見込みです。 安全確認がされた車両は12日午前までに運行が再開されましたが、不正のあった車両は使用できない状況で、物流への影響はまだ続きそうです。 改めて道内における物流への影響をまとめました。 ・JA士幌町は生食用のジャガイモの出荷について、今週の出荷分を全てトラックとフェリー輸送に切り替え ・ヤマト運輸では10日と11日に発送された荷物が1日以上遅れ ・佐川急便では9日以降に発送された全国から道内宛ての荷物に遅れ このほか、札幌市内の書店でも入荷に遅れが出るなどすでに各地で影響がみられます。