ラニーニャ現象の特徴すでに出現 秋雨と台風シーズン 11月に入ると急に寒くなる
台風シーズンまだ続く
現在、南の海上は対流活動が比較的不活発になっており、近々台風など熱帯擾乱が次々に発生することはなさそうです。ただ、気になるのは、今日5日、マリアナ諸島近海にまとまった雲があり、低気圧性の風の流れもあります。これが熱帯低気圧の発生となるかはわかりませんが、南の海上は、今後、次第に対流活動がやや活発になる見込みです。対流活動がやや活発な状態は、11月に入る頃にかけて続くでしょう。 アメリカ海洋大気庁によると、10月中旬を過ぎる頃にかけて、南の海上で、台風など熱帯擾乱が発生する確率が高くなっています。台風シーズンはまだ続くとみられます。 これから発生する台風は、本州付近に停滞する秋雨前線の活動を活発にする可能性もあります。たとえ台風が接近することがなくても、大雨のリスクが高まることも考えられます。 秋雨と台風シーズンです。日頃からハザードマップで、避難経路を確認しておくなど、備えをしておくとよいでしょう。
今年の冬の訪れは?
11月に入ると、たとえこの頃までにラニーニャ現象が発生していないとしても、大気の状況は、まさにラニーニャ現象発生時の晩秋の特徴です。インド洋熱帯域の西部では対流活動は不活発になり、インドネシア付近で対流活動が活発な状態が続くでしょう。 熱帯の状況に対応して、ユーラシア大陸南部では、高気圧が強まり、偏西風が北へ偏る見込みです。偏西風は、日本付近では南へ蛇行しやすいでしょう。アリューシャン低気圧が日本に近い所で発達しやすこともあり、西日本や東日本を中心に西高東低の気圧配置になる時期がある見込みです。西回りで寒気が流れ込みやすいでしょう。 九州から関東を中心に冷たい北風が吹きやすくなる見込みです。11月に入ると急に寒くなり、12月は師走らしい寒さでしょう。
日本気象協会 本社 白石 圭子