プレミア12。韓国戦先発の大谷に死角はないのか。
世界野球「プレミア12」の準決勝、日本対韓国が、今日19日、東京ドームで行われる。日本の先発は、1次ラウンドの開幕戦となる韓国戦(8日・札幌)で、6回10奪三振無失点と圧巻のピッチングを見せた日ハム、大谷翔平(21)だ。打線はここまで好調だが、右足を痛めて準々決勝を欠場した西武、中村剛也(32)のスタメン出場は微妙で、バッティングだけは蓋を開けてみないとわからない。そうなると勝敗のカギを握っているのは大谷の出来如何ということになる。 阪神の2軍監督に就任した掛布雅之氏も、「日本が有利であることは間違いないが、先発予定の大谷に怖さがある」と見ている。 「開幕戦で韓国打線を抑えきったのが、逆に不気味。1次ラウンドの開幕は、言ってみれば負けてもいい試合だったのでプレッシャーはなかったが、今回は、負ければ終わりの一戦。大谷は、レギュラーシーズンの終盤もクライマックスシリーズもプレッシャーのかかった局面では、力みなどで自滅して勝ちにつなげることができなかった。力勝負では、やられる。国際試合の経験の少ない大谷が、どう心身をコントロールできるか。立ち上がりだろう。東京ドームは、彼が本拠地にしている札幌と違って、韓国のパワーヒッターがバットにこすっただけでスタンドインしてしまう。その恐怖感が、また大谷の心理に影響を与える可能性もある。先に失点しまえば、いくら今日本チームの打線の調子がいいと言っても流れをつかめない危険性もある」 開幕戦の韓国戦では、マックス161キロのストレートと、147キロの高速フォークで韓国のバッターの度肝を抜いたが、掛布氏が指摘するように、力だけに頼ると、そのパワーの制御に苦しみ自滅する危険をはらんでいる。 さらに不安材料がある。まず東京ドームのマウンドに慣れていない。過去にオールスターや日米野球を除く公式戦登板は、2試合しかなく、2013年6月26日のソフトバンク戦では、6回を投げて4安打3失点、2014年は登板がなく、今季も9月2日の千葉ロッテ戦の1試合だけに先発して6回7安打3失点とピリっとしなかった。「狭い」「ドームホームランがある」という心理的な影響があるのか。どちらかと言えば相性は悪い。