<インド その6~寄生虫予防の日>-高橋邦典
世界中で、子供の寄生虫感染率が最も高いのがインド。その数は2億4000万人以上といわれているので、なんと日本の総人口のほぼ2倍だ。マラリアや肺炎に比べて認知度は低いが、貧血や栄養失調など心身の健康に大きな影響を及ぼす寄生虫は、無視できない問題である。 この日、「寄生虫予防の日」と銘打って、インド12の州の学校で抗寄生虫薬の投与が行われた。行政が主導する学童への寄生虫対策は国内でこれが初めてだそうだ。
寄生虫など、インドや東南アジア、アフリカだけでの話だろうと考える人もいるかと思うが、アメリカや日本のような先進国とも無縁ではない。僕が小学校の頃にはまだ、ぎょう虫(寄生虫の一つ)検査というものがあったし、アメリカでも現在約4000万人が何らかの寄生虫病に感染しているといわれているのだ。 文部科学省は今年、小学校の健康診断の必須項目からぎょう虫検査を外したそうだ。しかし日本でも数は減ったものの、絶滅したわけではない。これも安倍政権による、福祉や教育への予算削減の一環なのだろうか? 大丈夫か、日本? (2016年2月撮影)