47歳アームレスリング女王・山田よう子 5人の子供育てるシングルマザーの世界一再挑戦!
全日本アームレスリング選手権を13連覇し、2005年、19年には世界一にも輝いたアームレスラーの山田よう子(47)が6月末にドバイで行われる、世界一を争うプロリーグ「TOP8」に参戦する。シングルマザーとして5人の子供を育てながらの挑戦。多忙のなかで練習不足を痛感するも、「負ける気がしない」と自信を見せた。 【写真】〝刃牙の女〟の腕っぷしを見よ ――4月末に予定されていた試合が直前で延期となった 山田 最初に聞いたときはマジかよ!と思いました。子供に寂しい思いをさせながらも追い込みをしてきたので。しかし、ドバイでの災害が原因と知り、今は受け入れています。 ――契約は57キロ。現在の状態は 山田 正直、体は満足できていません。もともと43キロ、総合格闘技や妊娠を経て平均50キロくらいになったんですけど、でも今回は57キロなんで。本番ギリギリまでやって、53キロくらいまで増やせればいいなと。 ――それでも契約より4キロ軽い 山田 私、双子を妊娠しても54キロだったんです。だからこれ以上は難しいかなって。パフォーマンス的にはどうなんだろうと考えた時に、体重を増やせばいいってわけじゃないなと。 ――軽くても勝負できる 山田 みんな57キロで大きくて手足も長いし、若い子ばかりで不利は不利だと思います。でもドバイまではるばる行って、負けるわけにはいかない。あまり体重を気にしててもしょうがないので。軽くても倒せばいいんでしょ、って感じです。 ――自信がみなぎる 山田 練習は正直足りてないんですけど、自分の中ですごく燃えてて、負ける気が全くしないんですよね。相手がみんな若い中で、子供が5人いてシングルマザーで今年48になる女が勝ったら面白いじゃないですか。日本のお母さんたちの刺激になりたいんです。 ――気持ちの変化があった 山田 前はアームレスラーとしての山田よう子が大きかったんですけど、今はお母さんとしての気持ちが強いですね。お母さんとして戦うのを世の中に見てほしいという気持ちがあります。 ――年齢の影響は? 山田 年齢はただの数字って言いますけど、ぶっちゃけきてますよね。「疲れた」とか「めんどくさい」って言葉が日に日に多くなってきてる。練習しててもどこかしらが壊れちゃうんですよね。でも、まだまだやれます。懸垂300回、拳立て300回の日課も欠かしてませんし。 ――モチベーションはどこから? 山田 子供ですかね、子供が命ですので。子供がいなかったらここまでしてなかったと思います。まあ、子供がいなかったらここまでのストレスはかからなかったんでしょうけど(笑い)。でも、私ドMなので。子供が5人いて育児もあって、きついけどやっちゃう自分、みたいな? ――厳しい立場に燃える? 山田 そうですね。何事もなく素晴らしいジムでトレーニングして――みたいなのは私は燃えない。良い環境はあまり好きじゃないというのが昔からあって。刺激がないとつまらないでしょ。 ――子育ての合間を縫ってトレーニングに励んでいる 山田 長時間、トレーニングしないので。長くても1時間ですね。30~40分で集中してやる。1人で黙々と部屋でやるスタイルです。 ――ジムには通わない 山田 本当はジムがあるんですけど多分、年だよね。そこまで行くのもだるいんだけどって(笑い)。良いマシンを使ったから強くなるとかそんなんじゃないと思うから、部屋でも集中すればいい。 ――自己流を貫く 山田 多分私が一番何も考えてないアームレスラーです。みんな重りを記録したり、計画したりするけど全くそういうのをしない。ストレスだから。やりたい時にやって、やりたくない時にはやりません。「それ間違ってるよ」とか、「それアームレスリングのための筋肉じゃないよ」とかいろいろ言われるけど、現に世界取ってるから。だから、あまり周りのことは気にせず山田よう子流でいきます。 ――子供たちの存在も良いプレッシャーになっている 山田 子供たちは私が負けると恥ずかしいんですって。「今回、世界大会なんだよ」と言っても、子供の中では勝って帰ってくるのが当たり前で、それがママなんです。 ――それは負けられない 山田 ええ、父親の背中を見せることができないので、ママがいるから大丈夫っていう存在になりたいんです。 ――子供たちにいつまで雄姿を見せる予定? 山田 もう「山田よう子、限界だよ」っていうのが来ればいいんですけど、できちゃうので(笑い)。だからやっちゃいますよね。命ある限り戦い続けるかな。 ――漫画のようなセリフ 山田 私よく知らないんですけど、「漫画の『グラップラー刃牙』?に出てきそう」ってしょっちゅう言われるんです。刃牙の女、いいかもしれないですね。 ――アームレスリング以外にも意欲が? 山田 実は過去に総合格闘技RIZINのオファーもあったんですよ。その時は断ってしまったんですけど、いつか出てみたいですね。 ――「TOP8」への意気込みを 山田 19年に世界で勝って、これが本当に最後だと思いました。そんなに甘くないし、追い込むのもきついので。でも、この年齢で世界戦の話なんて普通もらえない。この湧き上がる闘争心はもしかしたら枯れる前のものなのか分かりませんが、優勝のみ。それだけを目指して戦います。 ☆やまだ・ようこ 1976年5月25日生まれ。東京都出身。身長155センチ。タレント、総合格闘家などとしてマルチに活動。99年からアームレスリングを始め、2002~14年まで全日本アームレスリング選手権大会を13連覇。05年には日本人女性で初めて世界大会を制した。女優・南田洋子さんの親戚としても知られる。
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