令和ロマンくるまが語る「賞レース」と「寄席」の決定的な差 「ネタのクオリティ」よりお客さんとのマッチ度が重要
唯一の光明は、その運動部様の明確な格下として振る舞い、「なんだこのザコは」と嘲笑されること。大人のプライドを全てかなぐり捨てて、「もう~同じ学校だったら確実にパシられてましたよ~」という態度で踊ることで、他の生徒も安心して見下すことができ、うっすら笑いを取ることができる。ただ全く割に合ってはいない。 反対に歳上の方々、人生の先輩の方々が多めのときもまた難しい。先輩すぎると夢の中にお住いのケースも多く、特に(よしもと)祇園花月では非常に観測しやすい。声を出すことへの恥じらいは少ないので積極的に話しかけに行くことが大事。ただ一度火をつけてしまうと「覚醒」して喋り続けてしまう先輩方もいるので、要注意。そうなったら若者ではなす術がない。
情報源がちゃんとテレビなので、ニュースで毎日飛び交ってる「大谷翔平」とか「藤井総太」とかで関心をゲットできる。あとカラオケに手拍子を打つ文化が染みついており、歌ネタをやると自動的に拍手がもらえてラッキー。ラッキーとか言っちゃってる時点でだいぶ苦戦してるのが分かるだろう? ■地域によっては伝わらないパロディも ここまでが年齢による「縦の変化」で、ここに地域による「横の変化」が加わっていく。 基本的に都心に近ければ近いほど、お笑いファンもアクセスしやすいので「寄席味」は薄まる。郊外だと年齢層も高めに、またファミリー層も増加する傾向にあるのでより二世代で分かる題材を選べればベター。
地域によっては放送されているテレビ局の数も少なかったりするので、それによって伝わらないパロディも発生。僕らも「ハモネプ」や「SASUKE」などをモジるネタをやる前にその県のネット局を確認する。番組に加えてCMも違うし、チェーン店とかも気にしなきゃリスト。 何も考えず「びっくりドンキーのメニューか!」と言ってびっくりするくらいスベったことがある。SuicaとICOCA、阪神と巨人、いや巨人は別にウケないんだよ東京で。もう本当、寄席のお客さんったら縦横無尽!
令和ロマン・髙比良くるま :お笑い芸人