赤字転落予想の中国事業、TOTO社長が語る「聖域なき戦略見直し」
衛生陶器大手のTOTOが、中国市場の減速を受け、現地で手がける住設事業の戦略を抜本的に見直す方針を打ち出しました。見直しのポイントは何か。この修正を経ても、2030年度の目標に掲げた「売上高1兆円以上」は達成できるのか。清田徳明社長に聞きました。 【写真】TOTO、中国事業「抜本的に見直す」 年5%成長目標も引き下げへ 24年は、アメリカやアジア・オセアニアの住設事業、半導体関連のセラミック事業など、伸ばしたいところが伸びた一方で、中国の住設事業が厳しい状況になりました。 中国では、不動産などの市場に明らかにブレーキがかかり、消費マインドも抑制的になっています。新築の市場縮小に加え、設置するトイレなども中高級品からダウングレードする傾向が出ています。中級クラスでは強い現地メーカーも出てきて、コストを含めた競争が激しい環境です。 24年度は中国の住設事業は赤字に転落する見込みですから、25年度以降に向けて、聖域なく戦略を組み立て直します。 ■「普及品で競うつもりはない」 ただ、普及品で現地企業と競うつもりはありません。中国で30年やってきて、TOTOには高いブランド評価があり、やはり品質と機能で評価される層がターゲットになります。今までのような規模感や上昇感はなくても、安定した事業には十二分になり得ます。 今年4月に長期計画を見直し、30年度の売上高の目標を従来の「9千億円以上」から「1兆円以上」に引き上げました。中国が減速しても、新たな成長分野が伸び、必ず30年度に1兆円はいくと考えています。
朝日新聞社