F1メカ解説|超ハイダウンフォース仕様のリヤウイングが登場! 低速モナコでフェラーリとマクラーレンが新パーツでレッドブル撃破に挑む
狭くツイスティなモンテカルロ市街地サーキットで開催されるF1モナコGPが開幕。今年も各F1チームがハイダウンフォース仕様のリヤウイングを投入した。 【ギャラリー】これが鬼才の仕事。エイドリアン・ニューウェイ作のベスト10マシン 過去2年とは異なり、今年は最速レッドブルにフェラーリとマクラーレンが接近しているという状況モナコGPで迎えた。マクラーレンのランド・ノリスは2戦前のマイアミGPで優勝を挙げ、前戦エミリア・ロマーニャGPでも優勝したレッドブルのマックス・フェルスタッペンをあと一歩のところまで追い詰めた。 戦いの場はモナコの市街地に移るのは、レッドブルにとっては向かい風。今季チームが投入したRB20は、ツイスティなコースレイアウトや縁石と凸凹への対処が苦手とされており、モナコGPでレッドブルは厳しい戦いを強いられるかもしれないというのが下馬評だ。 そうした状況の中、10チーム全てがハイダウンフォース仕様のリヤウイングを用意。ここでは空気抵抗増加による代償は少なく、最大限のダウンフォースを生み出すことが何よりも優先された。 フェラーリはエミリア・ロマーニャGPで大型アップデートをSF-24に投入。モナコに持ち込まれたリヤウイングもそのDNAを受け継いでおり、フラップ先端と翼端板の接合部は半独立型だ。ただ、ウイングのメインプレーンは従来のスプーン状からより平らになった。 フェラーリが高いダウンフォース性能を要求するサーキットに合わせてリヤのダウンフォースレベルを調整するためにウイングに変更を加えるのは今季初めてのこと。日本GPが行なわれた鈴鹿サーキットにもフェラーリはハイダウンフォース仕様のパッケージを持ち込んだが、使用しなかった。 フェラーリはまた、リヤウイングを吊り下げるサポートパイロンにあるウイングレットを再利用。微量ながらもダウンフォース増加を狙った。