「何コイツ? そんな目で見られた」スケボーからバス釣りへ、カルチャーを渡り歩いて気がついたこと。
「僕の中では今回が最後。だから勝ちます」退路を断って挑んだ2023年の陸王U-30。多くの選手が苦戦を強いられた灼熱の霞ヶ浦で、堂々の5尾3920gを捕獲し、宣言通りに優勝をかっさらった植盛幹太選手。副賞としての実釣記事(ルアマガプライム連動)で、その釣力とスタイルを広くアピールする。 【画像】植盛幹太インタビュー写真ギャラリー(23枚)
植盛幹太(うえもり・かんた)
小学校時代からバス釣りにハマり、高校卒業後バス釣りの世界に飛び込んで以来、オカッパリオンリーで日々鍛錬を続ける。岡山県津山市出身の26歳。レイドジャパン、シーガー、トレジャーガード、エレクトリックプロスタッフ。
いつも通りその時の魚の状況に合わせて釣っていくだけですね
「どんな釣りをしたいかですか?うーん、迷いますね。正直それが実現できるほどイージーゲームではないと思うんで」 自ら選んだ地元岡山県の河川(笹ケ瀬川、倉敷川)での取材だが、前日のプラではノーバイト・ノー感じだったという。 「ここ数年は勝つためにホーム以外で練習してきたので情報がないのと、岡山といっても以前ほどは簡単ではないので、やりたい釣りというよりは、いつも通りその時の魚の状況に合わせて釣っていくだけですね」 ファーストスポットは6年前のルアマガモバイル『勝手に特命釣行プラス』の取材で開始早々49cmをキャッチした笹ケ瀬川の水門へ。 しかし、当時と同じくダッジを泳がせるが反応はなし。 厳しい状況を象徴するかのように、その後も笹ケ瀬川を回るがバイトはなく、2号線の渋滞前に倉敷川に移動することに。 「好きな釣りとか得意な釣りも特に意識しないようにしています。そういうのがあると勝てないって思うので。あ、でもトップは好きかも(笑)」 植盛さんの発言で印象的な〝勝つ〟という言葉はもちろん、『陸王』を意味している。 「高校を卒業してレイド(ジャパン)のプロスタッフになって、どうなりたいかとか、できることとか色々考えたり迷ったりしてたんですけど、U-30に勝って、やるべきことがクリアになったんですよね」 陸王で勝つこと。それは目標ではなく、なすべきこと。そのために日々を過ごしている。 「だから今回は絶対に釣らないとダメなんです、けど(笑)」 厳しいが植盛さんに焦りはない。移動した倉敷川で昼まで釣り、午後は笹ケ瀬川へ。夕マズメは再び倉敷川に戻って巻きで勝負した結果、ナマズ1尾とその直前のバイトが1回のみでタイムアップとなったが、小走りになることもネガティブな発言もなく、ただただ淡々と竿を振り、ルアーを操っていた。 「何も感触がないまま1日が終わりました。状況的になんとなくこうかな?というのはあったんですが、それに対応ができなかったのがすべてですね」 勝ちに絶対はないのと同じく、釣りに絶対はない。だからこそその事実をどう繋げていくか。 「スケボーはトリックが決まっても楽しいのはその一瞬だけなんですよね。でも釣りって考えてプランを立てて準備してっていうその時間も楽しい。だから今日釣れなかったことが良いってことは全然ないんですけど、楽しんで明日の事を考えます」