味わい深い時計の新スタンダードはゴールドで決まり──「ピアジェ ポロ 79」
新作では薄型クオーツが廃止され、自動巻きムーブメントに変更された。そしてケースも大きくなった。オリジナルモデルは34ミリかそれ以下だったが、ピアジェ ポロ 79は38ミリ。個人的にはオリジナルサイズに近いままであってほしかったが、サイズを拡大した理由は不本意ながら理解できる。大型化は、より多くのゴールドを使用し、より華やかにし、そして主流の時計購買層によりアピールすることを意味するからだ。 ピアジェ ポロ 79は、スティール製スポーツウォッチの長く退屈な支配に釘を刺すようなモデルとなった。その贅を尽くしたデザインが好みでないとしても──この時計はエルトン・ジョンのステージ衣装のような繊細さを備えている──ポロを選ぶには少なくともセンスが必要であることを認めなければならない。 ピアジェ ポロ 79は、群れに従うのではなく、自分の視点を持つ人にとってのチャンピオンベルトであり、私のように新鮮なものを求めるコレクターが増えていることを物語る証だ。私たちは、カルティエのファンキーな形(クラッシュ、ペブル、アシメトリック)、パテック フィリップのポスト・クオーツと呼ばれるような気まぐれな時計、そしてゴハリが言及したようなピアジェのきらびやかなアーカイブに魅了されてきた。ポロ、楽しむことを恐れない時計。イヴ・ピアジェが理解していたように、私たちは時を刻むジュエリーに飢えているのだ。
PIAGET 「ピアジェ ポロ 79」 18Kイエローゴールドケース&ブレスレット、自動巻き、38mm径。¥11,792,000 by PIAGET(ピアジェ コンタクトセンター) WORDS BY CAM WOLF TRANSLATION BY MASAYUKI HIROTA PHOTO ILLUSTRATION BY MICHAEL HOUTZ
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