「デススト」小島秀夫監督「僕のヒーロー」石井岳龍監督と“箱男”対談!特別動画が公開
「メタルギア」「DEATH STRANDING」などの大ヒットゲームを手掛けるゲームクリエイター・小島秀夫監督と、安部公房の同名小説を映画化した『箱男』(公開中)を発表した石井岳龍監督による特別対談映像が公開された。 【動画】小島秀夫×石井岳龍『箱男』特別動画 世界各国の映画監督が映像化を熱望したものの、安部公房サイドから許諾が下りず、企画が立ち上がっては消えていた小説「箱男」。最終的に安部本人から直接映画化を託された石井岳龍(当時:石井聰亙)監督は、安部の「娯楽にしてくれ」という要望のもと、1997年に製作に入り、撮影地のドイツ・ハンブルグへ向かったが、クランクイン前日に突如として撮影が頓挫し、失意のまま帰国。長らく幻の企画となっていた。
それから27年。映画化を諦めなかった石井監督は、奇しくも安部公房生誕100年にあたる 2024年、遂に映画『箱男』を現実のものとした。主演は27年前と同じ永瀬正敏、さらに、当時共演予定だった佐藤浩市も出演を快諾。そこに浅野忠信、オーディションで抜擢された白本彩奈ら実力派俳優が揃った。
小島監督は、『爆裂都市 BURST CITY』(1982)、『狂い咲きサンダーロード』(1980)など、現在もカルト的人気を誇る石井監督作品を学生時代に鑑賞し、そのエネルギーに圧倒されたと告白。石井監督について「僕のヒーローなので。ファンというか師匠。兄貴と呼ばせてもらっていた」と語りながら当時を振り返る。
また、安部公房も小島監督にとって重要な作家の一人。続編制作中の大ヒットゲーム「DEATH STRANDING(デス・ストランディング)」の制作を決意したきっかけを語る際にも、安部の短編「なわ」を引き合いに出すなど、その影響は大きい。石井監督は、小島監督が同じく安部公房を尊敬している点など、「自分としても共通の何かを感じた」と語る。
そんな小島監督は、完成した映画『箱男』について、「けっこう原作に忠実、そこはビックリした」と告白。それと同時に、“兄貴”である石井監督らしさを感じた点も明かし「石井監督の段ボールに僕が入って、安部公房さんを見たような二重の喜び」と尊敬する二大クリエイターのコラボレーションに感服した様子。「戦争やってるし、地震は来そう、地球は壊れているし、ろくでもないですけど。社会や人間関係のこともでもある作品、この時期に『箱男』が映画化されたのは意味がある」と語っている。
さらに、小島監督と石井監督が、お互いの考える“クリエイティブ”について語り尽くすボーナス映像も公開。どのようにして世界を魅了する世界観が生み出されてきたのか、石井監督が小島監督の頭の中を徹底解剖するなど、それぞれが生み出す作品をクリエイティブ視点で紐解くファン必見の対談となっている。(編集部・入倉功一)