3万2000年前のサーベルタイガーのミイラ、極めて良好な状態で発見 豊かな毛並みもそのまま ロシア極東
ロシア極東サハ共和国の研究者は、すでに絶滅したサーベルタイガーのミイラが極めて良好な状態で発見されたと発表した。発見された生後約3週間ほどのミイラは、全身を茶色い毛で覆われており、3万2000年前のものと考えらえれている。サーベルタイガーはこれまで骨の化石しか見つかっておらず、科学者らは実際にどのような姿をしていたのか「世界に示す最初の発見だ」と興奮を隠せない。 そのサーベルタイガーの赤ちゃんは、片手で持てるくらい小さいが、3万2000年後の発見は古生物学者にとって重大な出来事となった。 この赤ちゃんは、生後約3週間ほどで死んだとみられるが、ロシアの永久凍土で極めて良い状態で保存されていた。極東ヤクートの科学アカデミーの専門家らは、これはユニークな発見だと話す。 「これほど良い保存状態で発見された場所は、ほかにない」と同アカデミーのアイセン・クリモフスキーさんは語る。クリモフスキーさんらはこの幼獣の発見を科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」で発表した。 サーベルタイガーは米テキサス州でも見つかっているが、骨格標本のみ。この幼獣は濃い茶色い毛で全身を覆われている。「これはサーベルタイガーが実際にどのような姿をしていたのか、世界に示す最初の発見だ」とクリモフスキーさんは述べた。「いわば、自然の大きな秘密を解き明かすのだ」 この幼獣は4年前、研究者たちがロシア極東サハ共和国のバディヤリハ川近くでマンモスの牙を掘っているときに偶然発見した。気候変動による地球温暖化の進行で、ロシアの永久凍土の多くが溶け、動物の死骸やその他の古代の痕跡が次々と発見されている。