RMN編集長の新譜レビュー【吉川友/ななみ/フェデ】
「THE PAGE」に北海道の地域ニュースを寄稿している筆者ですが、もとはといえば札幌発信の音楽WEBマガジンを主宰しています。そこで月に1回、おすすめの新譜のレビューをお送りしていきます。今回のテーマは「挑戦・光・真実」です。(橋場了吾/REAL MUSIC NAKED) RMN編集長の新譜レビュー【空想委員会/The Winking (O)wl/tricot】
ソロ5周を記念するシングル『歯をくいしばれっっ!』は今までで一番難しい曲
まずご紹介するのが、6月1日リリースの吉川友さんの両A面シングル『歯をくいしばれっっ!/チャーミング勝負世代』。 吉川友さんは、2007(平成19)年から憧れのモーニング娘。が所属しているハロープロジェクトの研修生にあたる「ハロプロエッグ」(現ハロプロ研修生)で研修を経験、2011(平成23)年にソロデビューを果たしました。その後は、歌にグラビア(「年を重ねるごとに、水着の面積が減っています」と笑っていました)に大活躍しています。 その吉川さんの新曲『歯をくいしばれっっ!』は個性的な楽曲で知られる大森靖子(せいこ)さんが曲を提供、吉川さん自身「これまでで一番難しい曲」にチャレンジしています。というのも、シャンソン、ラップ、ポップスが息つく暇もなくコロコロ変わる曲調なので、歌う方は大変です。事実、冒頭のシャンソンでため息をつくテイクが採用(!)されるなど、前代未聞の楽曲に仕上がっています。
“光”を放つ楽曲たちが作り出す世界観を楽しむ『Light in the Darkness』
次にご紹介するのは、7月6日にリリースされる大分県出身のシンガーソングライターななみさんの2ndアルバム『Light in the Darkness』。ななみさんは、ヤマハが今年まで開催していたアマチュアミュージシャンの祭典「Music Revolution」の第6回グランプリを獲得したことをきっかけにメジャーデビューを果たしました。 このアルバムで展開されているのは、変幻自在のヴォーカルから生み出されるバラエティに富んだ楽曲による独特の世界観。1曲目の『サイレン』は、アコースティックギターが掻き鳴らされるロックサウンドの中で浮遊しながら強烈な印象を放ち、6曲目の『SaRiel』は洋楽的なバッキングにウィスパーヴォイスで静かに攻めるヴォーカルが印象的です。 これらのほかにも、ポテンシャルの高さを感じさせる楽曲が揃う今作。ななみさんの歌う“光”を放つ楽曲たちがどのようにリスナーに伝わるのか、楽しみで仕方ありません。