20歳岡慎之助が初優勝「やり切れた」22年右ひざ前十字じん帯断裂の大けが乗り越え大器が初五輪切符 2位萱は2大会連続
「体操・NHK杯」(19日、高崎アリーナ) パリ五輪最終選考会を兼ねて、男子2回目が行われ、岡慎之助(20)=徳洲会=が合計343・727点で初優勝を飾り、初の五輪代表入りを決めた。2位に入った萱和磨(セントラルスポーツ)も2大会連続五輪代表に内定した。4月の全日本選手権(2日間)の得点を持ち点に、計4日間の合計得点で争われた。 【写真】両手を突き上げて渾身のガッツポーズ さすが体操選手 腕がムッキムキ 21年東京五輪2冠のエースで、すでに五輪代表に内定している橋本大輝が右手中指の突き指で棄権。優勝大本命がいない中での大会だったが、新星が輝いた。首位で迎えた最終日。岡は最初の床で14・200点でまとめると、あん馬では終末技にミスが出て、12・466点だったが、その後は安定した演技を並べて逃げ切った。 「目標としていたパリ五輪の代表が勝ち取れた。ホッとしました。(最終演技の鉄棒は)今までに感じたことのない緊張感があった。やり切ることができた。すごいキツい1年だったけど、怪我してもここまでこれることを証明できた。若さと勢いでチームに貢献していきたい。ここまでは通過点」と、胸を張った。 中学卒業後に実業団・徳洲会の門を叩いた異例の経歴を持ち、将来を嘱望されてきた19年世界ジュニア王者。22年の選考会で跳馬の着地の際に右膝の前十字じん帯を完全断裂。全治8カ月の大けがを負ったが、過酷なリハビリを乗り越え、さらなる進化を遂げた先に、夢舞台への挑戦権を掴んだ。 3位は土井陵輔(セントラルスポーツ)、34歳の田中佑典(田中ク)は4位だった。 ◆体操のパリ五輪代表選考 男女ともに5人。男子は昨秋の世界選手権で個人総合2連覇の橋本が既に決定し、4月の全日本選手権の得点を持ち点に争うNHK杯で上位2人を選出。残り2人はチーム貢献度で決まる。チーム貢献度は種目別で強いスペシャリストが有利。個人総合で選ばれた選手とチームを組んだ場合に団体総合の得点が最も高くなる選手を選び、男子の1人はNHK杯10位以内。