「選挙をすれば自民党の負けは明白」元国会議員らに聞いた政権交代のシナリオ
議席を増やす政党、減らす政党はどこ?
「立憲民主党と共産党を含む野党が過半数になり、そこに国民民主党がプラスされるのではないでしょうか。どちらにしても自民党と公明党の連立政権では過半数が取れない状況です。そうなると野党連合での連立政権という形になると思います」(大谷さん) と、'09年の民主党政権交代のような形ではないと予想する。『0歳児に選挙権を』などと言い出した日本維新の会に対して、 「あと2、3回選挙をしたら消滅するのではないか」と大谷さんはバッサリ。「大阪万博に絡んでいる連中は全部ダメだって世間は思っていますから」 有田さんは政権交代そのものを「ない」と予想。 「自民党だけでは政権維持できないことになれば、自民党は新たな対応をしていく。もしくは野党と一致して新たな連立政権を組む可能性もあります」とした上で「立憲民主党は議席を増やすでしょう。共産党は増えても数議席、れいわが少し伸びるくらい」と、立憲民主が野党第1党になると予想。維新の会に関しては大谷さんと同じく、 「大阪万博の影響があるから伸びないでしょう」とした。 金子さんは立憲民主と維新の会の議席が増えるのではと予想する。 「確かに維新は万博の問題があり、マイナス要因にはなっていますが、少なくとも議席を減らすような結果にはならないでしょう」(金子さん)
あの裏金議員の当落は?
国民には増税を強いる一方で判明した議員たちの裏金問題。政治資金収支報告書への記載漏れや誤表記があった85人の総額は5年間で5億7949万円! 次の選挙でしれっと当選するなんて許せない! 最多は二階俊博元幹事長の3526万円。次いで三ツ林裕巳衆院議員の2954万円、萩生田光一前政務調査会長の2728万円と続いている。萩生田氏に関しての見方はさまざまで、 「萩生田さんの場合は約4万5000票ある公明党がどんな対応をするかにかかっている。総選挙で野党が『対決の構図』にできるかどうかがカギです」(有田さん) 「萩生田さんは自民党の顔としても汚れきっちゃっていますからもうダメですよね。うさんくささがついて回るんです。7月7日の東京都議補選がありますが、自民党は4月の衆院補選(東京15区)では不戦敗になっている。都連会長の萩生田氏の手腕が問われます」(大谷さん) 他の注目議員の当落に関しては、 「44人の下っ端議員は落ちていくと思います。選挙になれば相手候補は『こいつはカネをもらっている』と攻撃するでしょう。そうなれば、有権者としては不正をしていた政治家には入れたくない。自分の住んでいる選挙区を汚い選挙区と見られたくないわけですよ。カネに汚い、不正をしているような議員を送り出すようなところじゃないと、訴えたいわけですから」(大谷さん) 「萩生田さんは選挙を危ぶむ声もあるようですが、次の自民党の中核、顔となる方です。引退を表明した二階さんの後継の三男・伸康さんは立候補すれば勝つと思いますし、麻生太郎さんも負けることはないですね。とはいえ、先の補選で島根1区がまさかの大敗でした。こうなってくるとこれまで保守地盤であったところで、後継として新人が立候補するところは厳しい局面を迎えることになるかもしれません」(金子さん) 裏金以外にも差別発言などで不信を買っている杉田水脈議員に関しては、 「彼女は自民党が公認しないと思いますよ。規則として比例単独の公認は2回まで。そのルールで出られないのをわかっていて確信犯的に差別的な発言をしていると思います。やけになっているのでは」(有田さん) 「安倍さんという後ろ盾がいて議員活動ができていた杉田さんは、一定数の保守的な思想の人たちには支持されていますが、差別的な発言に嫌悪感を抱く人も多いので次は厳しいでしょう」(金子さん)