1000万円でフェラーリ泥沼生活!「365GT4 2+2」は覚悟がなければ手を出すべからず…とはいえV12跳ね馬オーナーへ最安値で実現できるクルマです
「やや」実用的なV型12気筒GTの代表格
1972年にデビューしたフェラーリ365GT4 2+2は、マラネッロ製グラントゥリズモとしては家族向けで、「やや」実用的なV型12気筒GTの代表格だった。 フェラーリ初のオートマティックトランスミッションを搭載した後継モデル「400AT」とは異なり、365GT4 2+2は4391ccの60度V型12気筒4カムシャフトエンジンに5速マニュアルのギアボックスのみが組み合わされていた。 デビュー時に公表されたデータによると、その最高速度は時速150マイル(約240km/h)以上とされており、この時代における4シーターGTとしては世界最速に属していたうえに、長距離ドライブでも快適かつスタイリッシュに走行できる、当時の世界では最高にプレミアムなグランドツアラーとして位置づけられていた。 マラネッロがこのモデルを「400」シリーズへと進化させるまでに、およそ525台が生産されたと考えられている。
非常にオリジナルなコンディションを保っている
2024年10月初旬、「Hershey 2024」オークションに出品されたフェラーリ365GT4 2+2は、シャシーナンバー「17235」。フェラーリのヒストリアンとして知られるジャレット・ロスマイヤー氏のレポートによると、もともとミラノの有名なフェラーリ正規ディーラー「M.ガストーネ・クレパルディ・アウトモビリS.A.S.」を介して、ファーストオーナーであるイタリアのベゲット氏に販売されたとのことである。 1970年代後半にはアメリカに渡り、1979年末から1980年初頭にかけて、カリフォルニア州アナハイム周辺に在住する、匿名の売主によって売りに出された。 そこからの記録は明らかにされていないが、それから数年間は故テレンス・E・アデレー氏によって使用されたのち、少なくとも数年前までは彼のもとで静態保存されていたと目される。 速度計内のオドメーターは、オークション公式カタログ作成の時点で6万3031kmを記録しており、ボディやタン革レザーの内装を含め、走行距離相応の適度なヤレ感とともに、非常にオリジナルなコンディションを保っているようである。