将来「調理師」になりたいという息子。好きなことをしてもらいたいとは思うのですが、収入が分からないため心配です。「調理師」の「平均年収」はいくらくらいなのでしょうか?
子どもには、好きな仕事に就いてもらいたいと思う一方で、生活に困らないだけの収入が得られる仕事に就いて欲しいと思うのも親心です。 息子に「将来調理師になりたい」と言われたら、下積みの大変さや拘束時間の長さなどに見合った収入が得られるのか気になる人もいるでしょう。そこで今回は、調理師の年収について詳しく解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
調理師の平均年収は?
調理師の平均年収を、国税庁が発表している給与所得者全体の平均年収と比較してみましょう。国税庁の令和5年分民間給与実態統計調査によると、1年を通じて勤務した給与所得者全体の平均年収は459万5000円です。 令和5年賃金構造基本統計調査を基に、10人以上の企業規模の会社に勤める「飲食物調理従事者」の年収を計算します。 ・きまって支給する現金給与額:27万2500円 ・年間賞与その他特別給与額:31万9200円 これにより、年収は27万2500円×12+31万9200円で358万9200円となります。なお「きまって支給する現金給与額」とは、基本給のほかに通勤手当・家族手当・時間外給与なども含めた額で、社会保険料などを差し引く前の金額です。 これを踏まえると、調理師の平均年収は給与所得者全体の平均年収と比べ、およそ100万円少ない額であることが分かります。
調理師の給料は勤務先や経験で異なる
調理師といっても勤務先は、定食屋・フランス料理店・すし店などさまざまです。 調理師全体の平均年収は358万9200円ですが、勤務先によって年収が変わることもあります。また「経験」の違いでも、給料には差が出る可能性があります。どの程度の差があるのか、比較してみましょう。 ■勤務先の規模による給料の違い 勤務先の違いは、勤務先の企業規模で比較してみましょう。令和5年賃金構造基本統計調査を基に、企業の労働者数を大企業(1000人以上)、中企業(100人~999人)、小企業(10人~99人)として、それぞれ表1にまとめました。