【今月見るべき新作映画】月面着陸はリアルかフェイクか『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』
発見、感動、思索……知的好奇心を刺激する、映画好きな大人のための今月の新作を厳選! 注目を浴びる女性監督の話題作
リアルかフェイクか──極秘の国家プロジェクトに挑む主人公をスカーレット・ヨハンソンが好演!『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』
1902年、ジョルジュ・メリエスの『月世界旅行』が公開されて以来、『ライトスタッフ』(1983年)、『アポロ13』(1995年)、『ドリーム』(2016年)、『ファースト・マン』(2018年)等々、月や宇宙へ向かう映画が数多作られてきた。 そして今作『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』では、宇宙飛行士ニール・アームストロングらが人類初の月面着陸を成功させた1969年の物語が描かれる。 ソ連との熾烈な宇宙開発競争に遅れをとる、ニクソン大統領配下の高官が、ニューヨークからマーケティングのプロ、ケリーをNASAのPR担当として雇い入れる。アポロ11号の宇宙飛行士を「ビートルズよりも有名にする!」と息巻くケリーはNASAの発射責任者コールと対立するが……。
目的のためには手段を選ばない辣腕PR担当を、マリリン・モンローに寄せたメイクと衣装で好演するのは人気のスカーレット・ヨハンソン。一方、セクシーな肉体美を封印して実直なコールを演じるのはチャニング・テイタム。そして胡散臭い政府高官モーにウディ・ハレルソンという役者が揃い、歴史にフィクション、ラブコメと欲張りに盛り込んで人類初の月面着陸の舞台裏を物語る。 映画の後半には、物語の前年にあたる1968年に『2001年宇宙の旅』で画期的な宇宙映像を撮ったスタンリー・キューブリックが請け負ったという都市伝説も存在する極秘級プロジェクトのエピソードが仕込まれている。嘘を操って生きてきたケリーが任される国家規模の詐欺と恋の行方はいかに──!? 『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』 7月19日(金)より全国の映画館で公開 BY REIKO KUBO