バフェットに学ぶ「人材採用の本質」。面接で本性を見抜く4つの質問
不誠実な応募者を排除する4つの質問
理由がはっきりしたところで、次は、相手の誠実さを推し図るための、適切な質問について考えてみましょう。 一般的な採用面接では、採用担当者が、どんな質問を投げかければ応募者の人格の核に迫ることができるかを理解していないために、時間とエネルギーが無駄づかいされています。 面接者の役割を引き受ける人はみな、何よりもまず、科学に裏打ちされた「行動学的面接」のスキルを身につけなければなりません。 行動学的面接とは、応募者のスキルや強み、募集されている仕事への適合性を、特定の理論や曖昧さではなく、事実に基づいて評価する、失敗の少ないメソッドです。 この面接術を会得した採用責任者は、確実に優位に立つことができます。 なぜなら、行動学的な面接術を踏まえた質問に直面すると、応募者は、あらがじめ用意していた話を披露したり、用意していた回答で答えたりすることができなくなるからです。 では、私が過去に使ったことがある4つの質問を、以下にご紹介しましょう。 1. 職場の倫理性を損なう要素には、どんなものがあると思いますか? これは、面接者が倫理というトピックを取り上げるうえで、ちょうど良いきっかけとなる質問です。 これに対する採用候補者の返答としては、信頼度の高い企業文化を示す価値観を持ち、優れた行動をした実例が語られることが望ましいです。 2. 倫理的な企業と、倫理的な従業員の違いについて説明してみてください。 これはひっかけ問題。というのも、この問いに対しては、「違いはありません」というのが正解だからです。 企業に身を置く個々人の誠実さや価値観は、常にその企業の価値観や倫理行動規範と一致していなければなりません。 そうでなければ、従業員は入社後すぐに、自身の仕事や同僚に不満を抱いたり、集中できなくなったりする兆しを見せるはずです。 最終的に、従業員が「自分は長い目で見て、でこの会社に合わない」と悟れば、会社側はせっかく雇い入れた人材を失うことにもなりかねません。 3. 今までに、倫理的に難しい問題に直面した体験について話してください。 ここで一番聞きたくない答えは、「ああ、私はそうした場面に直面したことはありません」というものです。 私たちの大半は、まず間違いなく、キャリアのどこかの場面で倫理的な問題に直面したことがあるはずです。経験豊富で、なおかつ誠実さを持って業務に向き合ってきた採用候補者なら、自身が不正行為を回避した体験や、非倫理的な行動をしている同僚をいさめた体験を話してくれるでしょう。 倫理的に難しい場面に遭遇したことがない、と言う候補者を、決して信用してはいけません。 4. 必要な状況になった時に、上司である私、あるいは会社のために、嘘をつく覚悟はありますか? これはなかなかの難問です。 人を出し抜くために、安易な手抜きや、真実の歪曲、あるいは都合が悪いことを隠す傾向がある人が上司であれば、その人は「たまに嘘をつくのはそれほどたいした問題ではない」と考えているかもしれません。それに同調する部下もいるでしょう。 でも、ここに落とし穴があります。仕事に関して嘘をつくことを奨励する管理職がいるということは、その会社には、ほかにも倫理的に問題のある慣行や、企業ぐるみのごまかしがあると思われる、という点です。 ですから、言行が一致している誠実な採用候補者が、同様の信念を持って行動している面接者からこの質問を投げかけられた場合、答えは1つしかありません。 候補者は、あなたの目をまっすぐに見つめ、きっぱりと「私はあなたのために嘘をつくことはありません」と答えるべきです。 この候補者が「あなたのために」嘘をつくことがない人であれば、「あなたに対して」嘘をつくこともない、と考えてよいでしょう。 Originally published by Inc.[原文] Copyright © 2024 Mansueto Ventures LLC.
長谷睦(ガリレオ)