楓奈「表彰台独占したい」 五輪決めた大技「奇跡」 スケボー代表会見
スケートボードのパリ五輪代表選手が4日、都内で記者会見に臨み、女子ストリートに出場する中山楓奈(ふうな)選手(富山市出身、ムラサキスポーツ)は「(日本代表女子の)3人で表彰台を独占したい」と決意を語った。五輪出場を懸けた最後の大会で決めた大技を「最後に成功できたのは本当に奇跡だなって思ってます」と振り返り、五輪切符をつかんだ喜びを語った。 【写真】スケートボード日本代表の(左から)小野寺吟雲選手、白井空良選手、赤間凜音選手、中山楓奈選手、吉沢恋選手、四十住さくら選手 女子ストリートの代表となった吉沢恋(ここ)選手、赤間凜音(りず)選手らとともに会見に登場した中山選手は「自分のやりたい技を成功させ、悔いのないように滑りきりたい」と決意表明した。 最大3枠の代表争いの4番手として、ブダペストで行われた予選最終戦に臨み、逆転で代表入りを決めた中山選手は「正直、自分でも難しいかなって思っていた」と打ち明けた。五輪切符を引き寄せたのは最後に決めた新技「ヒールフリップ・バックサイド・リップスライド」だった。 板をかかとで回転させてから手すりをまたいで跳び乗り、滑り降りる大技で「初めてできたのは1、2年前」だが、どの技を極めていくか迷っていた。 そんなとき、3月のドバイ予選で準決勝敗退を喫し「スケボーがよく分からなくなった」。自分の演技を見詰め直し、五輪を目指すため、技を絞って完成度を上げていった。その一つが「ヒールフリップ・バックサイド・リップスライド」。中山選手は「メインセクションでは、ブダペストの1、2週間前くらいにやっとできたぐらい」と語り、代表として会見に臨めた喜びをかみしめた。 東京五輪に続き2大会連続の出場となる。東京五輪の時は、LINE(ライン)のニュースで出場決定を知ったという。「出場する大会が一つ増えたっていうぐらいの認識だった」。東京五輪を終え、メダリストとしてパリを目指す上で意識が変わった。 「代表に入るために必要な点数を計算したりして、すごく出たいって気持ちでブダペストまでやってきた。『頑張るぞ』って気持ちは東京よりも強い」 会見では「時差ぼけが治らなくて、体調は微妙」と明かし、少し眠そうな表情を浮かべたが「滑りはいつも通り。体調を整えていきたい」とパリを見据えた。 ●パリまでに、けが嫌だな/一問一答 ―パリ五輪で成功させたいことは。 東京五輪では、ボードを回してレールに入ることができなかったので、パリでは技を成功させたい。 ―五輪までの期間は。 パリまでにけがをしたら嫌だな。もっと練習したいけど、けがのリスクもある。今は不安の方が大きいけど、本番は楽しみたい。 ―逆転で五輪出場を決められた率直な思いは。 うれしい気持ちと、今までお世話になってきた人たちへの感謝がすごいあった。 ―最後に切符をつかめた要因は。 今まで練習で頑張ってきたこと、サポートしてもらったことを思い出し、無駄にならないよう全部出し切って滑りきろうと思ったから、最後までやりきれた。 ―大学に進学し、五輪出場も決めた。 スケートボードの先輩で大学に行きながら大会に出ている人はあまりいなくて、今でも両立できるかは不安。でも、自分ができる範囲で頑張っていければいいなって思ってます。