<早見沙織>「鬼滅の刃」 心揺れる胡蝶しのぶは「熱くて格好いい」 「柱稽古編」で“カナヲ”上田麗奈との大切な会話
「竈門炭治郎 立志編」の初登場の時から、早見さんは、内に秘めた感情を抑えるしのぶを繊細に表現してきた。
「そのバランス感をどうやるのかは、(竈門炭治郎 立志編の)最初のアフレコに行く時までそんなに決め込んでいなくて。最初のアフレコの時に、スタッフさんから、しのぶの腹の内ではどんなことを考えているのか分からない謎めいた感じや、ちょっと怪しい雰囲気が表に見える塩梅(あんばい)を『もう少し増やしていいです』というようなディレクションをいただきました。なので、感情の制御を120%完璧にこなしている人というよりかは、本人はそうしている中でも、どこか中身は漏れ出るのだろうなと思って。序盤は特に、そのちょっとした違和感みたいなものは、自分の中に持っておきたいなというのはありました。そういう土台があった上で、しのぶさんが笑っている時も、純度100の真っすぐで笑顔になっているんじゃない、と意識していました」
早見さんは、そんなしのぶを演じながら「すごく熱くて格好いい人」と魅力を感じているという。
「『未熟者』と自分で言っているけど、しのぶさんは、いろいろな意味での未熟さをずっと内側に抱え続けていて、『未熟じゃなくいなければ』と自分に言い聞かせていた部分もあるのかなと思います。でも、すぐにそうなれるかと言ったら、そんなことはなくて、強い意志で変えてきた部分もあるのではないかと。その未熟さがあって、揺れ動いてしまうところが、しのぶさんが見ている人をひきつける要素でもあるのかなと思います」
◇カナヲを思うしのぶの気持ち 第2話ラストシーンの裏側
「柱稽古編」第2話では、しのぶとカナヲが姉妹として、師弟として会話するシーンが描かれた。早見さんは、カナヲを演じる上田麗奈さんとの収録で、「引き出されるものがあった」と振り返る。
「これまでは、しのぶとカナヲの二人きりのシーンが描かれることがあまりなかったんです。カナヲと二人のシーンは、全然気持ちが、空気が違うというか。やはりカナヲと二人でしゃべっているところは、しのぶのカナヲへの優しい気持ちとか、核心の部分を『この人になら話せる』という信頼を感じました。柱合会議のピリッとした空気とはまた違う、『大事なことを大切な人に話す』空気みたいなものが流れていたなと。これまで築き上げてきた胡蝶三姉妹の軌跡があるからだとは思うのですが、本当に麗奈ちゃんがしのぶさんに対する真っすぐな思いを言葉に乗せて掛け合いしてくださったので、私も引き出されるような形で、二人で収録することができました」