1月歌舞伎座『京鹿子娘道成寺』は、こってり壱太郎VSさっぱり右近のダブルキャスト!
お焼香して舞台の成功を祈願。「鐘の存在を意識しながら、どこか人間でない雰囲気を漂わせたい」という壱太郎さん。「半月では足りなかった。1カ月間観たかったと思ってもらえるように勤めたい」と右近さん。エネルギーを爆発させて、お正月の歌舞伎座を華やかに盛り上げてくれることでしょう!!
壱太郎 『曽根崎心中』はずっとやりたいと思っていた演目でした。祖父の当たり役だったというのもありますけれど、2024年がちょうど近松門左衛門の没後300年で、いいタイミングだと思ったんですね。 で、じゃあ誰とやる?ってなったとき、この作品はやっぱりお互いをわかっていないとできないなと思って。ケンケンとはずっと積み重ねてきたものがあったので、ぜひ一緒にやりたいと思ったんです。 右近 実はこれまでも二人で「次の公演で何やる?」って話になったとき、何度か話に上がってはいたんですよね。「そろそろ曽根崎いっちゃう?」「曽根崎、出しちゃう?」「いや、まだ早い」。「もういいんじゃない? 曽根崎」「いや、まだだね」みたいなことをさんざんやってきたんですよ(笑)。でも、そんなこと言っているうちにチャンスがなくなっちゃうかもしれないし、今回、もういいんじゃないかって。 壱太郎 うん。今回このタイミングしかないと思いましたね。 小僧 お二人ともきっと出し惜しみせず、毎回、全力で演じられると思うから、それを1カ月続けると、千穐楽で溶けてそうな気がしますね(笑)。 部長 どろどろに溶けあった美しい二人の姿、観てみたいわ~!! 右近 近松さん、舞台観たら、びっくりすると思いますよ。300年後、こんなことになっているんだって(笑)。3月も京都・南座の花形歌舞伎で、壱さんと隼人くんで近松の『女殺油地獄』をやるし、僕は『河庄』をやるし。僕ら世代で近松やっちゃいますよっていうことを実現する2カ月になりそうです。 壱太郎 江戸の役者が2カ月続けて近松やるって、あまりないことだよね。 右近 そうだね。この際、がっつり近松と上方歌舞伎を吸収したいですね。