ロベール・ブレッソン『白夜』4Kレストア版、2025年3月7日公開 ポスター&場面写真も
没後25年となるロベール・ブレッソンの映画『白夜』の4Kレストア版が、2025年3月7日よりユーロスペース、角川シネマ有楽町ほかで全国ロードショーされることが決定した。 【写真】『白夜 4Kレストア版』場面写真 世界の映画作家たちに絶大なる影響を与え続けているブレッソンが残した長編映画13作品のうち、これまで最も観る機会の少なかった『白夜』。1971年のカンヌ映画祭で初公開されたのち、近年ではフランスでさえ上映不可能であった。2012年に日本でのみ35mmニュープリントで上映され、今回ついに4Kレストア版となって公開される。 本作の原作はドストエフスキーの短編。19世紀のペテルブルクを舞台にしたこの物語は、1957年にルキノ・ヴィスコンティによっても映画化されているが、ブレッソンは撮影当時のパリに舞台を移し、セーヌ河畔とポンヌフを背景に若き2人の男女を見つめていった。 画家のジャック(ギヨーム・デ・フォレ)は、ある夜、ポンヌフで思い詰めた表情をしている美しい女性マルト(イザベル・ヴェンガルテン)に出会う。翌晩、お互いの素性を語り合うジャックとマルト。ジャックは孤独な青年で、理想の女性との出会いを妄想してはそれをテープレコーダーに吹き込んでいた。一方のマルトは恋した相手に「結婚できる身分になったら一年後に会おう」と去られていた。そして今日がちょうどその1年後。マルトに熱い気持ちを抱きながらも、彼と出会えるよう献身するジャック。だが3夜目になっても男は現れず、マルトの心もジャックに惹かれ始めていた。そして運命の第4夜が訪れる。 ジャックとマルトを演じたのは、それまでまったく演技経験のなかったギヨーム・デ・フォレとイザベル・ヴェンガルテン。さらに、70年代の美しいパリの街、今なお新鮮なマルトの装い、魅惑的な歌や音楽、漆黒の川面を行きかう観光船のまばゆいばかりの美しさがスクリーンに映し出されていく。 公開されたポスタービジュアルには、「なぜ、あなたをとても好きなのかわかる? 私に恋してないからよ」という印象的なマルトの言葉が添えられ、バスに揺られながらその言葉に思いを馳せるようなジャックの物憂げな表情が切り取られている。 また、マルトが恋に落ちる下宿人の愛読書、フランス詩人ルイ・アラゴンの『イレーヌ』を手に取りページをめくるシーンが捉えられた場面写真も公開された。
リアルサウンド編集部