両リーグトップの得点力を支えた「5番・近藤健介」 4年ぶりVソフトバンクの戦いを分析【打者編】
就任1年目の小久保監督が率いるソフトバンクが4年ぶりのリーグVをぶっちぎりの圧勝で飾った。投打ともに成績は昨季より大幅に改善。また、多くの若手選手が初安打や初本塁打、初勝利を飾るなど、難題である「育てながら勝つ」を体現した。その背景には何があったのか。打者編、投手編、若手編と全3回にわたり検証し今シーズンの戦いぶりを振り返る。(全3回の1回目) ■松葉杖でグラウンドへ…近藤が小久保監督と熱い抱擁【写真】 ◇ ◇ ◇ ゴールテープを駆け抜けるまで「4番山川」だけは不変だった。西武から国内フリーエージェント(FA)移籍で加入。本塁打、打点でリーグトップを走り、強力打線の中心で存在感を示した。 9月4日の日本ハム戦(みずほペイペイドーム)で12球団最速の30号を放った。球団では2019年のデスパイネ(36本)、松田宣浩(30本)以来の30本到達。近年、右の長距離砲を欲していた打線にピタリとはまる補強に大成功した形だ。 5月後半からは自己ワーストの30試合ノーアーチと苦しんだ。小久保監督も「(4番を)外した方がいいのかなとも考えた」と明かしたが、信頼を貫くと後半戦には大爆発。山川を挟み、開幕からは3番柳田(故障離脱後は栗原)、5番近藤の強力な中軸も機能した。 鍵を握ったのは近藤だ。打率、出塁率リーグトップの好打者を5番に置くのはもったいないとの声も少なくなかった中、コーチ陣の進言で決断。当初、自らも近藤の2番や3番での起用を想定した指揮官は「走者が残った時に近藤はかえしてくれる。相手にダメージを与えられる」と話す。 山川もその恩恵を強調する。「状況が悪くなった時は『近ちゃん(近藤)頼む』と思いながらやっていました」。好機で追い込まれた際に当てにいきゴロの併殺打になるより「三振でも(仕方ない)と割り切っていけた」。後ろに近藤がいることで、より思い切ったスイングが可能となり30発を超すアーチ量産にもつながった。また近藤離脱後は山川が勝負を避けられるケースが増えたことも5番の重要性を物語っている。 総得点は両リーグトップの579(25日現在)を誇っている。チーム打率2割5分9厘(同)もリーグ最高。強力な中軸が支えた得点力は、投手陣にも好影響を呼んだ。(ホークス取材班) 【#OTTOホークス優勝特集】 【おすすめ記事 優勝特集】 女性関係の不祥事で大批判…山川穂高を支えた妻の一言、小久保監督の長男&長女が父に贈る言葉、秋山幸二さんが語る小久保采配など西スポWEB OTTO!が総力取材したとっておき優勝記事がたっぷりです。 ▼下記の関連記事から▼
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