“天才少年”が湘南で注ぐサッカー愛 明かす幼少期の苦労「周りから嫉妬」「普通の人とは違った」【インタビュー】
今季は怪我で2か月の離脱も…先輩たちに支えられさらなる飛躍へ
アンダー世代の日本代表に選ばれるなど徐々に力を付けた石井は、湘南U-18在籍時の2022年夏に2種登録でトップチームへ。翌23年にはリーグ戦4試合、カップ戦2試合の出場機会を得る。そして天皇杯では岡山との一戦でクロスに合わせてトップチームで嬉しい初ゴール。今季はここまで14試合に出場し、浦和戦でJ初ゴールもマークした。トップチームでも着実に成長を重ねている。 U-15、U-18でプロを目指し研鑽を摘んだ石井は、そこで感じた“雰囲気”がトップチームでも変わないことにも驚いた。 「トップも自分が思っていたよりもみんな優しいんだなと。去年は2種登録で参加させてもらいましたが、上がる前はお互いがギシギシしているというかちょっとライバル視して同じポジションの人が活躍したら嫌だとか、そういう感じなのかなと勝手に思っていました。けれど全然そんなことはなく、同じポジションの選手が活躍したら褒めてあげて、年下年上関係なく教え合ったり。みんなが学ぶ姿勢があることに、驚いたしこういう姿勢を持った人たちが最終的に生き残っていけるんだという印象でした」 チームメイトにも恵まれた環境で、先輩から多くを学ぶ石井。24年7月には右膝内側側副靱帯損傷の怪我を負い、戦線から離れた時期もあった。呼ばれていたU-19日本代表の合宿への参加は叶わず悔しい思いもした。 9月22日、怪我を乗り越え約2か月ぶりにJ1第31節セレッソ大阪戦(1-2)で湘南のピッチに帰還。わずか6分間と短い出場ではあったが、今後につながる大事な一歩だ。「とにかくサッカーが好き」と少年のように話すキラキラとした瞳には、より大きな舞台で活躍する石井自身の姿が映っているはず。念願のプロ1年目を戦う19歳は、さらなる飛躍を誓って突き進んでいく。 [プロフィール] 石井久継(いしい・ひさつぐ)/2005年7月7日生まれ、岡山県出身。福山ローザス・セレソン―湘南U-15―湘南U-18―湘南。幼少期より多彩な技術を持ち、小学生時代から“天才少年”として注目を集める。22年8月より2種登録でトップチームへ。24年から正式に昇格した。U-15から継続的にアンダー世代の日本代表にも選出されている。
FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko