鹿児島県知事、水俣病被害者と懇談へ「前向きに検討」 獅子島の会が要望、具体的な協議内容は未定
水俣病問題の解決を目指し水俣病被害者獅子島の会(鹿児島県長島町)が要請している塩田康一知事との獅子島での懇談について、塩田知事は23日の定例会見で、実施を前向きに検討していると明らかにした。同会によると、被害者の声を聞くために県知事が獅子島を訪問した例はない。 【写真】〈関連〉長島町獅子島の位置を地図で確認する
塩田知事は「(国や鹿児島、熊本両県、被害者団体による)実務者協議で上がった要望を精査している」とし、懇談を設ける方向との考えを示した。具体的な協議内容は「現時点でこれといったテーマは定まっていない」とした。同会が7月中旬、塩田知事との懇談を県に要望していた。 熊本県は県独自の懇談を8月中に2回開催。被害者団体の声を踏まえ、離島に暮らす水俣病特別措置法などの救済対象者が島外の医療機関に通院した際に給付される離島手当の増額などを国に求めた。
南日本新聞 | 鹿児島
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