どうなるGPファイナル 羽生の4連覇に死角はあるのか
いよいよGPシリーズでトップ6の成績を残した6人によって争われるGPファイナルがフランスのマルセイユで開幕する。男子シングルは、日本時間の9日早朝に行われるが、日本から羽生結弦(22、ANA)、宇野昌磨(18、中京大)の2人、女子シングルには宮原知子(18、関大)が出場する。 注目は、大会史上男女含めて初となる4連覇を狙う羽生の演技だ。宇野以外には、ロシア、フランス大会Vのハビエル・フェルナンデス(25、スペイン)、スケート・カナダで羽生が敗れたパトリック・チャン(25、カナダ)、アダム・リッポン(27、アメリカ)、17歳のシニアデビューでいきなりファイナル進出を果たした4回転の申し子、ネイサン・チェン(アメリカ)の4人が参戦、羽生の4連覇阻止に挑むことになる。 羽生を止めることのできるスケーターはいるのか? 羽生に死角はあるのか? 元全日本2位で、現在は指導者として後進の育成をしている中庭健介さんは、こう予想する。 「羽生選手、宇野選手、パトリック・チャン選手、フェルナンデス選手の4人の戦いでしょう。ジャンプの出来が勝敗を左右することは間違いありません。特に4回転の成否です。この中で言えば、パトリック・チャン選手は、プログラム構成で4回転の本数が最も少なく、しかもジャンプの安定度に欠きます。そこがネガティブ要素となるので、ここまでの流れからすると、羽生選手に宇野選手、フェルナンデス選手が挑むという構図でしょうか。羽生選手は今季さらに進化しました。新しく取り組んでいる4回転ループの細かいコツを会得したように見えます。シニアデビューしてきたチェン選手の4種類跳べる4回転は脅威ですが、この上位3人の技術、安定感と比べると、まだ差があります」 羽生、宇野、フェルナンデスの3選手は、共にショートには2本の4回転ジャンプをプログラムしている。世界王者のフェルナンデスは、ロシア杯ではショートに4回転トゥーループ+3回転トゥーループのコンビネーションジャンプ1本しか入れていなかったが、ファイナルを見据えてフランス杯では、4回転トゥーループ、4回転サルコウ+3回転トゥーループの2本を入れて基礎技術点だけで7点近くアップさせた。 ただフリーでの4回転は、宇野とフェルナンデスは3本だが、羽生だけが4本。最も難しいプログラム構成で、当然ミスしなかった場合の技術基礎点も3人のうちで最も高い。