夫婦の64%が該当!“セックスレス大国・日本”の世界最低レベルな性事情のリアル
EDの裏には重大な疾患が潜んでいる可能性も……。
ーーEDを自覚した場合、日頃の生活で改善できることなどはないのでしょうか? 基本的には、早めに医療機関を受診していただきたいです。というのも、勃起障害の起因がメンタルやストレスの場合であればまだ対処しようがあるのですが、動脈硬化や高血糖など、重大な疾患が潜んでいるケースもあるからです。 そもそも勃起障害とは血流障害によることが多いので、細い陰茎の血管に動脈硬化が起こってくると、それよりやや太めの心臓の血管にも動脈硬化がやがて進行し、その3年半後には心筋梗塞になるというデータも出ています。 つまり勃起障害を感じたら身体のどこかの疾患を疑うべきであって、医療機関を早めに受診することを強く推奨します。 ーーシンプルに性生活に支障をきたすだけでなく、別の病気が潜んでいる可能性もあるとは! 日常生活で勃起力を改善する手立てがあるとしたら、血流改善に着目するほかありません。高血圧の傾向がある人なら、血圧を下げる。糖尿の気配がある人はカロリー制限をする。コレステロールが高い人は動脈硬化によって勃起障害になりやすいので食生活を正す。 そもそも肥満傾向にあるだけでも勃起力は下がることが証明されており、体重を落としたグループの方が勃起力が改善したという海外のデータも出ています。 あとは睡眠ですね。睡眠の質が落ちると男性ホルモンの分泌量が低下するので、しっかり睡眠をとり適度な運動をするのが日頃取り組めるセルフケアといえます。
ーーちなみに、マスターベーションはしたほうがいいんですか? 人体の構造上、使っていない臓器は衰えていくという原則がありますので、日頃マスターベーションも実際のセックスもしていないのであれば、自分で定期的に出しているほうが機能低下を防げるという考え方はあります。 また、妊活中の方であれば精液の質にかかわってきます。お子さんを望んでいるのなら、鮮度が高く、よりよい精子を備えるためにも、ある程度はご主人がマスターベーションをしておいたほうがいいでしょう。 一方で、若い世代に関しては難しい問題です。若年層の性欲低下やEDが懸念されるようになった背景には、SNSやネット、VRなどで性的刺激が得られる時代になったことが影響しています。 高画質な動画でいつでも好きなタイミングでマスターベーションができる。むしろそっちのほうがリアルの人間を相手にするよりも刺激が強いわけです。その結果、対人のセックス回数は減っているのにマスターベーションの回数は減っていないことも判明しています。これは少子化を考えると深刻な問題です。