和田優希・千井野空翔 出演舞台『ナイトメアホスピタル 2024』をレビュー【辛酸なめ子の「おうちで楽しむ」イケメン】|CLASSY.
想像妊娠したチンピラから魔界の王が誕生!?
いっぽう病室では、ふて寝する祐三のもとを謎の神父、上泉順矢(渡邉 心)が訪れ、無表情でシュールなダンスを踊ったり、信仰に目覚めた理由を語ります。それは、トイレで大きいほうをしていて拭こうと思ったら紙がなく、神に祈ったらトイレットペーパーが降りてくるという奇跡体験がきっかけだったそう。神父役の渡邉はそのあとも淡々とシュールなギャグをかましていて、独特な存在感を放っていました。そうしているうちに祐三が激しい腹痛に襲われ、どこから出てきたのかわかりませんが、魔界の王が誕生。千井野空翔が「バブー」と言いながらハイハイする、ファンにとっては萌え度が高いシーンが展開。魔界の王なのですぐに話せるようになり「あ~ダルかった~キツかった~」と不平を言っていました。ちょっとダルそうな声なのでリアリティがあります。父親(?)の祐三は、出産で体力を使い果たしたのか寝ています。公演時間の半分以上ベッドにいるような……。 魔界の王と祐三はへその尾でつながっていて、魔界の王が人間界でのミッションを達成するまでは帰れないという話になりました。それは、傲慢・強欲・嫉妬・憤怒・色欲・暴食・怠慢という「七つの大罪」を祐三に犯させる、というもの。罪を犯すごとに該当するランプが点灯していきます。チンピラなので「このようなクソな人間なら罪を犯させることは簡単」と、魔界の王は楽観視します。目覚めて説明を受けた祐三は、魔界の王に早く帰ってもらいたいので協力することに。魔界の王と、従者の露木魔佐人(木村来士)と祐三は3人で結託し、妻にはビジュアル系バンドの練習をしていると嘘をついてごまかします。 場面転換もなくずっと病室で衣装も変わらないのですが、ビジュアルが充実しているからか不思議と飽きることなく、舞台に集中してしまいます。和田優希の表情や華のある存在感は今後、生田斗真のような活躍を見せそうだと期待が高まります。従者を演じる木村来士の奥ゆかしい演技もよかったです。