黄土色の尿、乾いた脇の下…梅雨から要注意の熱中症!医師が教える“脱水のサイン”
今年の夏も猛暑が予想されているが、気をつけたいのは“梅雨”の時季。暑くないからと自分の渇きに鈍感な結果、おしっこが黄土色、熱中症で倒れるなんてことは避けたい。 【写真あり】経口補水液がなければりんごジュースを水で2倍に薄めたものでも 気象庁の3カ月予報によると、今年も高温多湿の暑さが厳しい梅雨~夏を迎えるようだ。気温が上がると注意したいのが脱水症や熱中症。 「脱水症は体に必要な水分量が減ってしまっている状態のことで、熱中症にもなりやすくなります」 こう話すのは湘南鎌倉総合病院 救命救急センター、救急総合診療科部長の関根一朗先生。 「気温が高くなると起きやすい熱中症ですが、湿度も高くなることによって汗をかきにくくなり、体温コントロールのしにくさにつながります。なので、梅雨の時季から患者が増えるのです。私たちの救急外来でも、毎年この季節になると、脱水症、熱中症の患者が非常に増えます」(関根先生、以下同) 人間の体の約5~6割は水分だが、汗や尿などによって体外に排出される水分量や塩分量のバランスが崩れると脱水症になり、めまいやふらつき、頭痛、しびれなどの症状が現れる。さらに熱が放出されないと、熱が体内にたまってしまう熱中症に進んでいく。熱中症になると、血液の濃度が高くなって固まりやすくなり、心筋梗塞、脳梗塞などの生命の危機を招く重篤な疾患にもなりかねない。 ■注意が必要なのは高齢者。りんごジュースで対策を 厚生労働省の調べによると、2022年に熱中症で死亡した人の86・3%が65歳以上の高齢者だ。高齢になると、口渇感が自覚症状として出にくくなる。そのため、喉が渇いていることに気づかず、いつの間にか脱水症状になっていることも少なくない。 さらに更年期世代の女性も意外と注意が必要なのだそう。ホットフラッシュなどの自律神経の症状が出ていると、脱水症状であることに気づきにくいかもしれないという。 「“こまめに”水分を取ることがいちばんの予防ですが、喉が渇いたらではなく、あらかじめ水を飲む時間を決めておいたり、トイレに行ったら水分を取るなど、意識的に水分補給を行ってください。また、水分を体内に入れるだけではなく、水分をため込むためにはミネラル分が必要です。理想は塩分を含んだ経口補水液を飲むことですが、塩味が苦手な場合はりんごジュースを水で2倍に薄めたものをおすすめしています」 補給する水分量は約1~1.5リットル。少しずつ分けて飲むことが重要だ。ちなみにスポーツ飲料など、砂糖が加えられている飲料はおすすめしないと関根先生は言う。