「ごめんね、3位まで上げられなかった…」 アンカー・谷本キャプテンが執念の走り見せるも…力及ばず4位 名城大「全日本大学女子駅伝」8連覇の夢ついえる
そんなキャプテンの姿に後輩たちも感化されたのか、緩みがちだったチームの雰囲気も引き締まってきました。今の実力を試す本番前最後のレースでは、谷本選手をはじめ、なんと8人がシーズンベストを更新。 “絶対女王”としての自信を取り戻したチームの面々。仲間たちを信じて今できることをやれば、必ず結果はついてくると、チームの誰もが思っていました。 そして大会当日、「閉会式では笑顔で会おう」と言い残し、選手たちはそれぞれの中継所に向かったのです…。
1区エースに最大の危機 1秒でも早くキャプテンにタスキを…!
全国から集まった26チーム(東北学連選抜含む)が日本一をかけて戦う全日本大学女子駅伝。 名城大学の1区は3年連続で米澤奈々香選手(3年)が務めました。エースで世代ナンバーワンの実力者です。しかし、5キロ手前で異変が…。米澤選手が先頭集団から遅れはじめたのです。例年より気温が7度も高い過酷な環境で、脱水症状を引き起こしていたとみられます。トップとの差は44秒。9位から追う苦しい展開となってしまいました。 2区・上野寧々選手(3年/愛知・豊山町出身)から9位でタスキを受け取った3区・石松愛朱加選手(3年)。ここから追い上げが始まります。2年連続区間賞の実力を発揮し、順位を2つ押し上げ7位に。さらに4区・瀬木彩花選手(2年/岐阜・高山市出身)は4位集団につけ、5区・原田紗希選手(3年)は、1万メートル日本歴代3位の記録を持つ拓殖大学の不破聖衣来選手(4年)になんとかくらいつきます。 アンカーの谷本七星キャプテンにタスキが渡った時点で6位、トップ立命館とは約3分の大きな差がついていました。それでも、名城大キャプテンとしての意地の戦いが始まります。 米田監督の激励にも背中を押され、2人抜き4位に。3位までの差は50秒、まだまだ順位を上げていきたい…。しかし、トップの立命館大学に遅れること2分59秒。谷本選手は区間2位の力走を見せましたが、力及ばず名城大学は4位。8連覇への挑戦はここで終わりました。