勤続20年ですが、いまだに「年収280万円」です。貯蓄も「30万円」しかないのですが、これってやばいですか? 転職を検討すべきでしょうか…?
毎日一生懸命に働きながらも、「給料が上がらずにつらい」「貯金が全くできない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。自分の年収が高いか低いかは、なかなか周りの人にも聞きづらいものです。 本記事では、勤続20年で年収280万円、貯蓄30万円の人について、一般的に見てどれくらいの年収や貯蓄の水準なのか、また転職を検討した方が良いのかについて解説します。 ▼「年収280万円」は少ない? 年収や貯蓄の平均値を確認
給与所得者の平均年収は458万円
国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は男性が約563万円、女性が約314万円、男女計で約458万円です。そのため、現在の年収が280万円の場合、平均よりも少ない年収だといえます。 年収280万円は平均よりは少ないとはいえ、圧倒的に少数派という訳ではありません。同調査では、年収の区分ごとの人数と割合を公開しています。そして、年収300万円以下の割合は男性で19.4%、女性で55.5%、男女計で34.6%です。 年収が280万円でも、給与所得者の中で飛びぬけて少ないとはいえないでしょう。
年収280万円で貯蓄30万円は少ないのか?
年収280万円は平均よりも低い水準ですので、貯蓄も多くはできない場合が多いかもしれません。年収280万円で貯蓄30万円というのは、少ないのでしょうか? 金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和4年調査結果」によると、年収が300万円未満の世帯の平均金融資産保有額は650万円です。「え? そんなに多いの?」と思う人もいるでしょう。しかし、平均額は特に金額の多い人の影響を受けやすいため、中央値も見ていきます。 中央値は、今回の場合は金融資産保有額が高い人から順に並べた際に中間の順位の人の金額を表します。そして、年収が300万円未満の世帯において、金融資産保有額の中央値は50万円です。 年収280万円で貯蓄が30万円だと、貯蓄額としては少な目といえるでしょう。
勤続年数20~24年で年収280万円は少ないのか?
平均年収280万円で貯蓄が30万円というと、年収も貯蓄も少ない方ですが、飛びぬけて少ないという訳ではありません。しかし、平均年収は勤続年数によって異なります。 「令和4年分民間給与実態統計調査」を見ると、勤続年数が35年未満までは、勤続年数が長くなるにつれて年収も高くなっています。そして、勤続年数が20~24年の給与所得者の平均年収は、男性が704万円、女性が392万円、男女計で597万円です。 そのため、勤続年数20年で年収が280万円は、勤続年数の割には年収が低いといえそうです。