ドゥーハン、シューマッハーとの“シュートアウト”を振り返る「隣に誰がいようとも、シートを得るために準備していた」
アルピーヌのジャック・ドゥーハンは、今夏初めの重要なF1テストセッションで、親友のミック・シューマッハーと直接対決した「奇妙な」経験について語った。 【写真】2024年F1第12戦イギリスGPフリー走行1回目 ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ) アルピーヌが2025年シーズンのふたり目のドライバーを選出する手がかりとなる、本格的なシュートアウトとメディアから評されたこのセッションは、今年7月のイギリスGPに先立ち、ポール・リカール・サーキットで行われた。ドゥーハンとシューマッハーは、ふたりとも来シーズンのレースシートをかけて、アルピーヌの2022年型マシン『A522』のステアリングを握り、そのスキルを披露する機会を与えられた。 ドゥーハンはその日のことを振り返り、シューマッハーと自身の父親同士の友情に根ざした、彼らの長年にわたる強い信頼関係のことを考えると、いつもとは少々違う状況に感じられたと認めた。 「奇妙な感じだった」と伝説的ライダーであるマイケル・ドゥーハンの息子ジャックは語った。 「僕は仕事に専念した。結局のところ、僕はただマシンに飛び乗ってできるだけ速くドライブする以外のことは考えなかった」 「僕の隣に誰がいるかは関係ない。マシンの外では、僕が何か変わるわけではない。でもマシンに乗り込むときは、できるだけ速く走ろうという考えになる」 ドゥーハンのテスト中の集中力は明確だった。競争相手に関係なく、彼はシートを確保すると決意していた。 「最終的には、その結果がどうであれ、このシートを獲得するために自分が1番目に並べるよう準備していたと思う。隣に誰がいようともね」 21歳のドライバーの献身的な努力は報われた。オランダGPを前に、アルピーヌはチームのリザーブドライバーを務めていたドゥーハンが2025年にフルタイムのレースシートに昇格し、エステバン・オコンに代わってピエール・ガスリーのチームメイトとなることを発表した。 何度かFP1セッションに参加してきたドゥーハンは、チャンスが与えられたときは常に安定したパフォーマンスを発揮し、チーム内での地位を固めていた。ドゥーハンは、2025年にアルピーヌからグリッドに加わるチャンスが明らかになってきたのは、今シーズンの最初の数カ月だったことを明かした。 「今年の第1四半期が終わった後、僕には追いかけるべきウサギというか、このために戦える可能性があることがわかった」 「与えられた任務はなかった。契約のないドライバーがたくさんいるのは明らかだったし、いろいろなことが起こっていたので、僕はとても忍耐強くなって、チャンスを待ち、自分のことに力を入れ、ステアリングを握るたびに最大限のパフォーマンスを発揮するようにしなければならなかった」 プレッシャーと競争があったものの、ドゥーハンの忍耐と集中力は最終的に報われた。 「忍耐が報われたことに感謝している。レースをしていなかったことにもね。なぜならそれはリスクだからだ。でも、もし僕がそのリスクを冒さなかったら、このようなことは起こらなかったかもしれない」 ドゥーハンは将来のシートを確保したが、アルピーヌの2024年シーズンの最後の数カ月はリザーブドライバーとしての役割を継続し、シミュレーターでの作業や、A522マシンでの実地テストでスキルを磨く予定だ。 一方のシューマッハーは、アルピーヌでWEC世界耐久選手権の残りを完遂する予定であり、両ドライバーはフランスのマニュファクチャラーとともにそれぞれの旅を続ける。 [オートスポーツweb 2024年09月09日]