約200年の時を隔てて、ヘンデルとジミー・ヘンドリックスが同じフラットに住んでいた!?／クラシックソムリエが語る「名曲物語365」
クラシックソムリエが語る「名曲物語365」
難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。
ヘンデル『水上の音楽』―ヘンデルとヘンドリックスが同じフラットに住んでいた!?
今日11月27日は、ロックギタリスト、ジミー・ヘンドリックス（1942～70）の誕生日です。 彼がこのコーナーに登場する理由は、高級ブティックが立ち並ぶロンドン・メイフェア地区の一角に「ヘンデル・ヘンドリックス博物館」が存在するからです。バロック時代の巨匠ジョージ・ヘンデル（1685～1759）が、36年にも及ぶ後半生を過ごした同じ敷地内のフラットに、わずか1年ながらヘンドリックスが住んでいたのです。 現在は、住居の2階&3階部分にヘンデルの住まいが再現され、4階部分のヘンドリックスのフラットには、彼が過ごしたリビングルームが再現されています。約200年の時を隔てて2人が過ごした居住空間に佇んでいると、今にもドアが開いて2人が仲良く出てくるのではないかという錯覚に襲われます。 そのヘンデルが、時の英国王ジョージ1世の舟遊びのBGMとして作曲した作品が『水上の音楽』です。1715年に行われたテムズ川の舟遊びにおいて、国王ジョージ1世はこの曲をとても気に入り、往復の間に3回も演奏を楽しんだという記録が残されています。
田中 泰／Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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