自民党の石破茂新総裁の主な関連株の動き

自民党の石破茂新総裁誕生後、初の取引となった30日、日経平均株価が大幅下落する一方、石破氏主張の政策に関わる企業の個別銘柄の多くが上昇した。石破氏が「日本経済の起爆剤」と位置づける地方創生や、創設を提唱する「防災省」に関連する銘柄は堅調に推移。石破氏の地元、鳥取県発展への期待から同県に本社を置く企業株の思惑買いも入り、市場全体の低迷に反し、石破銘柄は〝ご祝儀相場〟となっている。 【画像】自民の「次のトップ」、企業5921社が選んでいた人物は？ ■消防車のモリタは１割高 地方創生関連では、デジタル技術を活用して観光促進などに力を入れるチェンジホールディングスや、食による地方創生を軸に不動産開発事業を進めるバルニバービといった企業の株価が上昇基調となった。特に、今夏のコメ不足問題を受けて市場が注目した、農産品の産地直送サービス「ポケットマルシェ」を運営する雨風太陽は前週末終値に比べ3割近い高い上昇率をみせた。 また、防災関連では、消防車や救助工作車などの製造・販売を担うモリタホールディングスの株価が1割近く上昇。自動火災報知設備や消火設備大手の能美防災も約6％の伸びをみせた。石破氏はシェルター整備を進めて国民保護体制の実効性を確保すると明言しており、多目的シェルターを手掛けるサンヨーホームズもわずかながらも株価を上げた。 ■高市氏関連は大幅下落 恩恵は石破氏の地元、鳥取県の企業にも及んでいる。石破氏は山陽新幹線や山陽道、鳥取港などのインフラ整備の加速を政策に掲げており、今後の資金需要拡大の期待から鳥取銀行に思惑買いが向かった。また、同県に本社を置く電子部品メーカーのトミタ電機にも同様の買いが入り、両社ともに5％以上の上げ幅となった。 ちなみに、総裁選で石破氏に敗れた高市早苗氏の関連銘柄として好調だった宇宙開発に関わるQPS研究所とアストロスケールホールディングスは、ともに18％近くも下落。総裁選の当落で明暗が割れる相場となっている。