阪神・青柳晃洋、全世界の虎党が待っていたエースの輝く姿 4試合目で今季初勝利
(セ・リーグ、阪神7-0中日、4回戦、阪神2勝1敗1分、19日、甲子園)胸をなで下ろした。2年連続開幕投手を務めた阪神・青柳晃洋投手(30)が今季初の甲子園のマウンドで6回6安打無失点、7奪三振の好投。4試合目で初勝利を挙げた。 「もちろん(初勝利まで)長かったし、やっと勝てたという気持ちはあります」 勝利のお立ち台で安どの表情を浮かべた。勝ちたい一心だった。二回に細川、宇佐見の連打からで1死二、三塁のピンチ。村松を144キロ直球で空振り三振、ロドリゲスをツーシームで遊ゴロに仕留めて「ゼロで(ベンチに)帰ることができて本当によかった」。直後の二回の攻撃で木浪が先制打。なおも1死満塁で、青柳がチームの投手初打点となる右犠飛を放ちガッツポーズも。「(バットを)振ったら当たりましたね。やっぱり1点取れてうれしかった」とはにかんだ。 昨季は2軍落ちも経験し、5年ぶりに規定投球回に届かず、8勝どまりだった。開幕直前。青柳は「今年もダメなら僕の野球人生が終わってしまう。心配をかけた奥さんのためにも今年は頑張りたい」と決意をにじませた。 青柳は小学校時代の同級生だった夫人と2018年12月に結婚。翌19年、プロ5年目で初めて規定投球回をクリアすると21年からは2年連続最多勝をマーク。22年は防御率、最高勝率も含めて三冠に輝いた。 「結婚してからずっといい投球をしていた。家で、朝は焼き魚を用意してくれて。しゃけ、ほっけ、サバ…。僕が飽きないように日替わりで。魚に含まれるEPAは炎症を抑える成分も含まれて疲労回復にも効果があると」 ここまで夫人に支えられた。だからこそ、不本意に終わった昨年の分を倍返しすると心に決めている。「勝ちを積み重ねるのは大事ですが、やることは変わらない」。今季初勝利を喜ぶのは一夜だけ。チームの勝利のため、家族のために-。これから青柳の完全復活ショーが始まる。(三木建次)