あのケガがなければ…。日本人「ガラスの天才」(8)規格外のストライカー!
サッカー選手は常に怪我と隣り合わせだ。1つの怪我でキャリアを棒に振ってしまう選手もいれば、何度も大怪我を負いながらもその逆境を乗り越えて長く活躍する選手もいる。今回は最高級の才能がありながらも、怪我に苦しむキャリアを歩んできた“ガラスの戦士”を紹介する。
●FW:久保竜彦 生年月日:1976年6月18日 日本代表:33試合13得点2アシスト 日本人選手は身体能力という部分で、どうしてもヨーロッパやアフリカ、南米出身の選手たちに劣ってしまうという。だが、そんな固定概念を覆す身体能力を持っていたのが久保竜彦だ。「ドラゴン」の愛称で親しまれた同選手は、驚異的なフィジカルや跳躍力を兼ね備えた、まさに規格外のストライカーだった。 久保はいわゆるエリートではなく、プロ入り前はほぼ無名の存在だったことは有名な話だ。それでもテストを経てサンフレッチェ広島への加入を掴み取ると、2003年に移籍した横浜F・マリノスでブレイク。日本年間最優秀選手賞を受賞した。日本代表としては、ジーコ監督体制下で主力に定着。2004年に行った欧州遠征では4試合で4得点と強烈なインパクトを残していた。 しかし、そんな久保を苦しめたのが怪我だ。十字靭帯断裂などといった大怪我こそなかったが、その恵まれた体格にかかる負荷が大きかったのか、腰や膝の痛みに悩まされ続けている。とくに2004年頃から負傷の頻度が増加。その影響で、選出確実とみられていたドイツワールドカップメンバー入りも逃すことになっている。 そんな中、久保は2007年のJ1開幕戦の浦和レッズ戦で、44分に同点ゴールとなる32mのロングシュートを左足で決め、Jリーグのファン・サポーターから注目を集めた。しかし、それ以降、久保が日本代表やクラブで特別な輝きを放つことはなかった。 なお、浦和戦でのゴールは今年5月に行われた「J30ベストアウォーズ」でミドル・ロングシュート部門でベストゴールに選出されている。
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