TikTokで話題“さすらいネキ”の素顔とは 永瀬碧が語るダンス動画のバズの裏側とこれから
幅広い年齢層に支持され、多くのヒットコンテンツやスターを生み出すプラットフォームとして注目を集めるTikTok。永瀬碧もまた、2023年10月にTikTokに投稿した、奥田民生の代表曲「さすらい」にあわせたダンス動画のバズをきっかけに、世の中にその存在を知らしめたひとりだ。 【写真】永瀬碧の撮り下ろしカット バズ以降、「さすらいネキ」という通称で知られるようになった永瀬は、2024年3月からインフルエンサーとしての活動を本格的にスタート。今回はいま大注目の永瀬碧に、メディアとしては初となるインタビューを敢行。TikTokを始めたきっかけやさすらいダンス動画がヒットした背景、今後の活動について話を聞いた。 ・「ちょっと照れていたからゆるいダンスに……」さすらいダンス動画の裏側 ーーTikTokで動画を投稿しはじめたきっかけを教えてください。 永瀬碧(以降、永瀬):TikTokは中学生の頃から利用していて、高校に入ってからは周りの友だちの動画に映るという感じでした。そこから自分でも撮るようになって、最初は知り合いだけに公開していました。 ーー友だち同士のコミュニケーションとして始めたのですね。公開範囲を制限なしにしたきっかけはなにかあったのでしょうか。 永瀬:友達が制限なしで公開していて、私もノリでという感じで。全体公開にしたときは、再生数も回らなかったから、公開にしても公開にしなくても、そんなに変わらなかったんです。 ーーそうしているうちに、2023年の10月に投稿した「さすらい」の動画が驚異的に再生されたんですね。この動画を投稿しようと思った理由を教えてください。 永瀬:元ネタのおじさんが踊っている動画をみて、面白いと思ったんです。TikTokの動画を撮るときは、いつも友だちと「この曲で踊ってみようよ」と話をするんですけど、この動画は私だけしか知らなくて、ひとりで踊りました。 ーー元ネタとなった動画のダンスはキレの良さが特徴的でしたが、ゆるいダンスにしたのは、なにか理由があったんですか? 永瀬:幼稚園生のころからジャズダンスを習っていて、高校ではガールズをやっているので、踊れないわけじゃないんですけど……。あの画面の向こうには、友だちが4人くらいいて、ちゃんと踊るのが恥ずかしくなっちゃって。ちょっと照れながら踊っていたら、ゆるいダンスになっちゃいました。 ーーゆるいダンスにしたことで、雰囲気の良さが増してウケたのかもしれませんね。バズったときはどう思いましたか? 永瀬:その日の朝、病院に行っていたんですが、学校に着いたら友だちに「バズってるよ!」といわれて、TikTokをみてみたら「いいね」がいっぱいついていて。なにか自分じゃないみたいな感じでちょっとビックリしたんですけど、客観的にみて「すごい」と、そんな感じでした。 ーー友だちやご家族の反応はどうでしたか? 永瀬:友だちは「すごいじゃん」と、びっくりしていました。お父さんはInstagramのリールでみつけたみたいで、「これ、あーちゃんじゃない?」「そう、バズったの」という会話をしました。 ーーバズったのをきっかけに、「さすらいネキ」という愛称がつきましたが、この愛称に関してはどう思っていますか? 永瀬:「ネキ」や「ニキ」という呼び方はネットミームというか、あまりいいイメージはなかったんですけど、いざ呼ばれてみると、みんな親しみをもって呼んでくれていたので、そんなに嫌な気持ちにはなりませんでした。 ・デジタルネイティブの“SNSの向き合い方” ーー「さすらい」動画は永瀬さんの「面白そう」「やってみよう」という気持ちから作られたコンテンツでしたが、普段はTikTokに投稿するコンテンツのネタはどのように探しているのでしょうか? 永瀬:おすすめに流れてきて、可愛い、面白いと思ったものは、誰がやっている、やっていないに関係なくやっています。友だちとTikTokの転送機能を使って面白い動画をシェアしたり、そのなかから面白そうなものを選ぶことも。やりたいと思ったものをやっている感じです。 ーー1本の動画を作るのに、どれくらいの時間がかかっているのでしょうか。 永瀬:ダンスがもともとついてるコンテンツを撮ることが多いんですけど、振りを覚えるのも含めて10分くらいです。あまり納得いくものができなくて、何十テイクも撮り直しをして、30分以上かかることもあります。いつも昼休みや部活の前とかに撮っていて、時間が限られているので、なるべく早く撮らなきゃいけないというので、それくらいの時間でやっています。 ーーそういえばTikTokに投稿された動画をみていると、学校で撮影されたものが多いですよね。表情を控えめにしたバージョンと表情豊かなバージョンと、同じ曲で2本撮っているものもありますが、これらは自分なりの戦略なのでしょうか。 永瀬:「さすらい」の動画を投稿してから、私のことは知らなくても、あの動画をみたことがあるという人は多いと思うので、同じ画角で撮っています。ダンスを踊ることに集中していると、無表情になってしまって(笑)。表情が豊かなバージョンは数テイク撮っていて、表情をつける余裕ができてきたものです。 ーーここだけの話、バズを起こすために自分なりに研究していることはありますか? 永瀬:インサイトをみて、フォロワーさんが何時くらいにみているのか、それに合わせて投稿する時間を決めたりしています。その機能を知ったのも最近なので、それまではバズった「さすらい」動画と同じ時間に投稿していました。 ーー温かいコメントばかりですけど、たまに辛いなと思うコメントがくることはありますか? いま、SNSでの活動では誹謗中傷がよく話題になりますが、SNSとの向き合い方で工夫していることがあれば、教えてください。 永瀬:たまにキツいコメントがくることもありますが、フィルターをかけて、目には入らないようにしています。ほかのインフルエンサーの方をみていると、ひとつのコメントから広がっていっているので、フィルターをかけることによって、最初の1つをブロックしています。 ーー情報リテラシーが高い(笑)。普段の生活のなかで吸収して、使いこなしている感じがすごいですね。インフルエンサーという立場になりましたが、もともとこういう世界に興味はあったのでしょうか。 永瀬:みんなの前に出て話したりすることが好きなので、やってみようかなと。事務所から連絡をいただいたとき、お父さんとお母さんからは「やりたいならいいんじゃない」みたいに背中を押してもらいました。 ーーいまはTikTok中心の活動になっていますが、これからやってみたいことはありますか?目標を教えてください。 永瀬:実は事務所の方から「演技やってみない?」とご提案いただいたので、いまは演技にも興味があります。ドラマや映画をみるときは、内容より演技をみるようになりました。中学生のころは陸上部で砲丸投をしていたので、始球式もやってみたいです。同じ事務所に所属している向井怜衣ちゃんのように、キラキラした存在になりたいなと思います。
せきぐちゆみ