【F1メカ解説】アルファタウリAT04の進化を振り返る。最下位争いから入賞の常連へ……驚異的なジャンプアップ
■ローダウンフォース仕様のビームウイング
イタリアGPで投入された超低ダウンフォース仕様のリヤウイング。ビームウイングは、流行の1枚仕様ではなく、2枚が存在。上の1枚は、エキゾーストパイプのすぐ下に設けられ、非常に薄い。また下の1枚は、ディフューザーの直後に、非常に薄いエレメントとして存在している。
■細かい空力処理が違いを生む
アルファタウリAT04のリヤビューミラーは、本体の上下をフラップが包み込むような形状になっていた。その後方には、ヘイローの付け根部分に寄り付けられたL字型のフラップも見える。
■進化するフロア
アメリカGPに登場したフロア。跳ね上げが以前に比べて大きくなり、その下面に取り付けられたストレーキの長さも延長されている。また、エッジウイングの形状も変わった。 なおアメリカGPに投入されたアップデートパッケージは広範囲に及ぶもので、フロア全体、エッジウイング、フロアフェンス、エンジンカバー、リヤブレーキダクトのウイングレットなどに変更が加えられた。また、サスペンションフェアリングとの整合性をとるため、シャシー下部の形状にも変更が加えられた。
■アルファタウリAT04 2023年シーズン中のアップデートリスト
●サウジアラビアGP リヤウイング ●オーストラリアGP フロア(下面) フロアフェンス フロアエッジ ディフューザー ●アゼルバイジャンGP フロントウイング エンジンカバー(冷却) リヤウイング ビームウイング リヤブレーキダクト(フェンス&ウイングレット) ●マイアミGP フロントウイング(アウトボード) ミラーアッセンブリー ●モナコGP フロアフェンス フロア(フロント及びリヤタイヤ直前) フロアエッジ ディフューザー サイドポンツーンインレット エンジンカバー フロントサスペンション(ステアリングロック) リヤウイング リヤウイング翼端板 ●スペインGP リヤウイング リヤウイング翼端板スウェッジライン ●カナダGP フロントウイング ●オーストリアGP リヤウイング ビームウイング 冷却用ルーバー ●イギリスGP フロア:アンダーフロア、フロアフェンス、フロアエッジ、ディフューザー エンジンカバー リヤブレーキダクトウイングレット リヤウイング ビームウイング ●ハンガリーGP フロントウイング ノーズ フロア(リヤセクションの幅、下面) リヤウイング ●ベルギーGP リヤウイング ●オランダGP リヤウイング翼端板先端 ●イタリアGP フロントウイング ビームウイング リヤブレーキダクト(ウイングレットの取り外し) ミラーウイングレットの取り外し ●シンガポールGP フロアボディ フロアエッジ ディフューザー サイドポンツーンインレット エンジンカバー リヤサスペンションフェアリング リヤブレーキダクト開口部および上部ウイングレットカスケード ミラー本体およびベイン ●日本GP リヤウイング ミラー本体およびベイン ●カタールGP フロアエッジ ●アメリカGP フロアボディ、フェンス、エッジ エンジンカバー・ボディワーク リヤブレーキダクトウイングレット フロントサスペンションおよびシャシーの膨らみ ●メキシコシティGP フロントブレーキダクトインレットの開口部 エンジンカバーと排熱用開口部のサイズ ●サンパウロGP なし ●ラスベガスGP なし ●アブダビGP フロアボディ、フェンス、エッジ
Matt Somerfield