90歳で亡くなった大山のぶ代さん 夫・砂川啓介さんと乗り越えてきた“病との闘い”
国民的キャラクター『ドラえもん』の声を約26年にわたって務め、人気を博した声優の大山のぶ代さんが亡くなりました。90歳でした。人気声優として活躍する一方で、晩年は病との闘いが続きました。“おしどり夫婦”と呼ばれた夫の砂川啓介さんとの歩みを振り返ります。 【画像】大山のぶ代さんの認知症を語っていた砂川啓介さん(2015年) 大山さんは、1979年から『ドラえもん』の声を約26年にわたって務め、子供から大人まで親しまれる存在となりました。 私生活では1964年に、舞台の共演がきっかけで砂川さんと結婚。夫婦そろってテレビ番組に出演するなど、“おしどり夫婦”として知られていました。
■おしどり夫婦が迎えた“老老介護”という困難
一方で、大山さんは、2008年に心筋梗塞と脳梗塞を発症。言語障害を患い、一時芸能活動を休止しました。その後、砂川さんの支えもあり、闘病生活を乗り越えた大山さん。2009年には、砂川さんに対し「感謝、感謝ですよ。やっぱり親切かな優しいのかな。あぁ、親切だなこの人と思うときがある」とインタビューで感謝を伝えていました。 しかし、2015年には大山さんが認知症を患っていることを砂川さんが告白。「ちょっと前にやったことも覚えてない」と、病状を明かしていました。 約50年にわたり、様々な苦難を乗り越えてきた“おしどり夫婦”。しかし、当時82歳の大山さんを介護する砂川さんは78歳。“老老介護”の現実は厳しいものだったといいます。 砂川さんは、介護について「怒ったり怒鳴ったあとに、彼女が寂しそうに自分の部屋に入っていく後ろ姿を見ると、自己嫌悪に陥る。なるべく優しくしてあげる、それでいて間をぬすんで自分のやりたいことをやる。そういう時間を絶対作らなきゃいけない」と語っていました。 しかし、2016年には砂川さんが尿管がんと診断され、介護が困難に。この病がきっかけで砂川さんは、自宅で大山さんの介護をすることが困難になったため、施設に預けていたということです。その後、砂川さんは療養を続けていましたが、2017年に80歳で亡くなりました。 大山さんの所属事務所によると、葬儀は昨今の状況を鑑み、親族のみで執り行われたということです。