「つらいことがあっても続けて…」ラグビーに魅せられた元少年飛行兵 93歳のラガーマン“最後のワンプレー”
50万人の熱気とともに閉幕した「ねんりんピック」。今回の愛媛県代表の最高齢はラグビー競技に出場した93歳!戦争を経て、たどり着いたラグビーの道。93歳のラガーマン、最後のワンプレーです。 【動画】93歳“これで引退”戦争を経てたどり着いたラグビー…最後のワンプレー<NEWS CH.4>
ラグビーを続けて80年…目標に向かうチーム最高齢として練習の日々
40歳以上のラグビー愛好家でつくる「愛媛思惑クラブ」。チームの最高齢は、93歳の中野安博さんです。 中野さん: 「足が動かん」 メンバー: 「大丈夫ですか」 中野さん: 「大丈夫なんやけど。足が動かん」
松山工業高校でラグビーに出会った中野さん。国体代表も含めて80年近くラグビーを続けてきました。 中野さん: 「みんなああやって走りよるのを見たら、うらやましい」
シニアラグビーでは年代ごとにパンツの色が決まっています。 “黄金のパンツ”は、90歳以上だけが履くことのできる幻のパンツ。 中野さん: 「『黄金のパンツ』は少ないね。おらんね」
1971年に中野さんらが立ち上げた「思惑クラブ」も、今では大所帯となりました。 Q.元日本代表なんですか? メンバー: 「はい、一応」 コーチ: 「現日本代表なら大ごとですよ」 メンバーたち: 「先輩に対して言う言葉遣いか」 「わはは」 「それも先輩が立って、座った人間が『違うけー』って」 コーチ: 「こんな感じで和気あいあいと練習中もきつければ自由に座ってもらって」
実は、中野さんら思惑クラブは“ある目標”に向かって追い込みの練習をしていました。 愛媛で開催されるシニアスポーツの祭典「ねんりんピック」です。 コーチ: 「チームの平均年齢がだいたい同じところと試合をするイメージで、愛媛県は2試合。言おうか?メンバー。1本目はね、中野さん」 中野さん: 「はい!」 出場メンバーに選ばれた中野さんですが…。 中野さん: 「あかん、あかん。もう。よいしょ」 足の状態を気にして、途中で練習を切り上げる場面が増えたのです。
お国のために戦った飛行兵時代…その後「チームのため」に戦うラグビーの虜に
中野さん: 「今晩は北海道シチューをやろうと思って玉ねぎ、ジャガイモを夕べ揃えといたんじゃ」 西条市の一軒家に1人暮らしの中野さん。 高校時代は相撲部でした。 中野さん: 「相撲のような一発勝負よりも、負けても転がされてもやり直せる競技をと言った時に、ちょうど先生がラグビーやらんかと言ってね、それっと相撲部の連中がラグビーやり始めた」 以来、人生をかけて熱中したのはラグビーとカメラでした。